第935号
「こんなことくらい言わなくてもわかるだろう」
と上司が思っていることを
実際には部下がわかっていない
場合
「わからないならどうして言わないんだ」
という展開になります。
部下が上司に言い出せないのは
その前提になる上司と部下の
コミュニケーションが悪いから
だろうと、
想像をすると思うのですが、
実際には、上司と部下の
関係性が良かったとしても、
「どうして言わないんだ」は
起こります。
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関係性ができていないから
遠慮して言いたいことを
言えなかったのでなく
関係性が良いからこそ、
言いたいことが言い出せない
ことってあります。
現実には、
部下が上司になかなか
言い出せないだけでなく、
実は上司も部下になかなか
言えないこともあるものです。
上司だから、部下だから
ということの前に
人と事(事柄)を分けられて
いないからだと思います。
あえてこれくらいのことで
波風立てなくてもいいや
と我慢してしまうのは、
人と事を分けられていない
からだと思います。
人となりを信頼して
相手の意図を感じとって
だからこそ、意味は
わかっていなくても
そのまま受け入れてしまう
こともあるものです。
築き上げてきた人間関係が、
聞き直したり、反対意見を
言うことを躊躇させます。
どこかに無理や我慢があっては
やっぱり、良い組織とは言えません。
チームビルディングを学んでいる
私たち仲間の勉強会などでも、
いつでもできているかと
いえば、
少なくとも私は躊躇や迷うことが
あります。
感情で言いたいことを言う
のでなく、
むしろ遠慮や配慮という名の
感情を乗り越えて、
目指すべき姿(目的や目標)
のために、
”言うべきことは言う”
という判断をすることが
できるかどうかが大切です。
そして、必要なことを言い合える
のが、心理的安全性が高いと
言うのだと思います。
そもそも
「こんなことくらい言わなくても
わかるだろう」と思う人は
例えば何かの指示を出すときに
「〇〇商事にサンプル送っておいて」
と伝えるとき、
実は、サンプルと一緒に
旧商品との比較資料も同封
してほしいと思っていた、
ということがあるとして、
前も郵送をお願いしたから、
「言わなくてもわかるだろ、(常識だろ)」
ということは起こり得ます。
どんなに関係性が
良くても、
『指示されたことをやる』
という仕事のやり方が
日常であるなら、
それが変わるわけでは
ありません。
言わなくてもわかるだろうは
日常のどこにでも潜んでいる
落とし穴です。
どんなときでも、
伝わるように伝える、
このひと手間は大切です。
お読みいただきありがとうございました。
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