第911号
伝えていないことが原因で起こる
トラブルって、あります。
仕事の場面で多いのが
こんなことくらい、伝えなくても
わかるだろうってことが
意外とトラブルの原因になって
いること、多いと感じます。
評価制度も、伝えていないことで
起こるトラブルがあります。
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評価制度を導入して3年目の
会社で人事から
「項目を見直してもいいですか?」
という連絡が入りました。
「こういう項目の書き方では
部下を評価できないし
評価を伝えられないので
なんとかしてほしい」
と、ある部署の評価者(部長)
から言われたと言います。
こういうとき、
項目を見直せば評価者の
不満は、解消されるでしょうか。
ついやってしまうのが
わかるように言葉を見直したり
詳細に書き直そう、ということです。
でも、それでは伝わりません。
例えば、勤務態度を評価する
項目は、みんなが知っている
言葉ばかりです。
正直、評価決定会議では
ここが一番盛り上がります。
誰にも当てはまる項目であり
それゆえに、その意味や
イメージが、人によって
受け取り方が違うことから、
活発な意見交換がなされる
からです。
今回、不満を言ってこられた
評価者が挙げた項目も
勤務態度のひとつで、
この項目の定義が
自分の考える定義とは違う
ということを言いたいよう
でした。
評価制度を運用して
3年たって、
今ですか?
とも思いますが、
今年の春部長になった評価者に
とっては、今、だったんです。
評価される側のときも
実は違和感あったようです。
そのときは、
頭でなんとなく理解でき
ている気がして、
少しくらいの違和感は
気になりませんでした。
しかし部下を指導し、
評価する立場になると
自分が腑に落ちていなければ
自分の言葉で評価結果を
説明できません。
ですから、この評価者に
とっては、今の旬な悩み事
というわけです。
人事の方に聞いてみました。
定義も含めて、評価項目を
見直すのはよいのですが
不満を言ってこられた評価者と
話し合ったのですか?
とたずねると、
意見を聞いたけれど話し合っては
いないということです。
評価者が腑に落ちなければ
人事が文章を変えても
「こういう項目の書き方では
部下を評価できないし
評価を伝えられない」
ということを繰り返すだけです。
たとえ評価マニュアルを
詳しく書いたとしても
自分が思っていることしか、
人は伝えられません。
部下育成のために
何度も伝え続けていくなら、
なおさらです。
早速、人事の方は、
部長と、問題にあがった
項目の言葉の定義を確認
し合うことにしました。
このとき、私がお伝えした
ことは
考え方がすべて一致する必要はありません。
大事なのは、納得できるかどうかです。
人の価値観は変えることはできません。
「会社はこういうものを目指している。
そこと評価制度は繋がっていて、
会社のビジョンに沿って考えるなら
この項目はこういう意味で定義している」
この説明を聞いて
「あぁ、そういうことですね。
私の考え方とは違いますが
そういう意味のことを
この項目の呼称で言っている
ということなんですね。
そういうことなら、わかります」
こうして、腑に落ちることが
私は大事だと思います。
この、
”あぁ、そういうことか”という
気づきがあることで、
ぐっと身近に感じて、自分自身の
言葉として、人に伝えることが
できるようになります。
「このような項目の書き方では
部下を評価できないし
評価を伝えられません」
と評価者から言われたら、
評価項目を変えることを
考える前に
会社が考える項目の意味や
意図が伝わっているかどうか
話し合うことが大切です。
もし伝えていないなら、
だから納得につながらないんだ、
ということだと思います。
重要なのは、項目(名称)
ではなくて、定義(内容)が
伝わるかどうかです。
会社は、その定義には
その評価項目の呼称でないと
いけない理由があるはずなんです。
それなら、それも伝える
必要があります。
項目を変える前に、
言葉にして、その意図を
伝えたかどうか
そして、伝わっているかどうか
確認していただきたいと思います。
伝えていないことが原因で
起こるトラブルがあるなら、
伝えることで、トラブルを防ぐ
こともできると思います。
面倒がらず、伝える機会を持つ
ことを、大切にして頂ければと
思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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