第902号
2024年4月から、労働条件明示のルールが
変わります。
ということは、「労働条件通知書」も
変わることになります。
すでに、厚生労働省からダウンロード
できるフォーマットもイメージとして
公開されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001080104.pdf
まだ、これからも指針や通達など
でてくるものと思われますが、
単に労働条件通知書が変わる
というだけでなく、
国は将来をどう見据えての改正なのか
会社に求められることは
どんなことなのかが
ここから見えてくるような気がしています。
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新しく追加される明示事項のポイントは
1.すべての労働者に対する明示事項
労働契約の締結時と、
有期労働契約の場合はプラスで
更新のタイミングごとに、
「雇入れ直後」の就業場所・業務内容に
新たに「変更の範囲」についても明示が
必要となります。
これによって、
将来の配置転換などによって変わる
可能性がある就業場所や業務の内容を
明示する必要があるということです。
2.有期労働契約者について
(1)締結時と更新時のタイミング
1)契約更新の期間または回数の上限の有無と
内容の明示が必要
最初の契約の締結より後に更新する
上限を新設・短縮する場合は
理由を“あらかじめ”労働者に説明
する必要があります。
あらかじめ、ですから、事後ではなく
変更等する『前』というのが注意です。
(2)無期転換申込権が発生する契約を
更新する時
1)無期転換申込機会の明示
「無期転換申込権」が発生する
更新のタイミングごとに、無期転換を
申し込むことができる旨の明示が
必要になります。
初めて発生する5年目の時点だけでなく
更新ごとのタイミングで、忘れずに
明示してください、ということですね。
2)無期転換後の労働条件
「無期転換申込権」が発生する更新の
タイミングごとに、有期労働契約者に
無期転換後の労働条件の明示が
“必要”になります。
申込権が発生するタイミングごとに、
上記労働条件の明示内容について
その労働条件を決定するにあたって、
他の通常の労働者とのバランスを
考慮した事項(業務の内容、責任の程度、異動の有無・範囲など)
について、
有期契約労働者に説明するように
“努めなければなりません”
リーフレットはこちらをご覧ください
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001080267.pdf
法改正によって
労働条件通知書等のフォーマットを
変更するだけでなく、
有期契約労働者が多い会社の場合は、
今後、更新タイミングごとの各明示や
説明が適切に行えるように、事前の
準備が必要です。
この実務的な対応はもちろんですが
「雇入れ直後」の就業場所・業務内容に
新たに「変更の範囲」について明示が
必要になったということからは、
ジョブ型(求めるスキルと職務内容を限定)
への転換をはかりたい国の方向性が
みえてきます。
会社の指示だけで、一方的に全然違う
職種への異動は、いよいよ難しい、
と考えなければならないと思います。
あるいは、
どんなキャリアパスを描けるのか
中期的な将来像を会社が示すとともに、
その職務範囲や変更の有無を個々の
労使間で書面で確実に確認できる
ようにすることが求められて
いるのだと思います。
法改正が、結局のところ、
包括的な書き方を認める運用に
陥ってしまい、明確とは程遠い
ことになりそうな懸念も個人的には
あるのですが、
それでも確実に働き方は変わり
働く人々の意識は変わってきています。
会社と社員の信頼関係を築くためにも
手間だけがかかる法改正にしてしまう
だけでは、もったいないと思います。
この機会に
この会社でどんなキャリアを
築いていくのかの
対話と共有するきっかけに
できればいいなぁと思っています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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