第883号
いよいよWBCが東京ドームで
始まりました。
選手はもちろん注目ですが、
コーチ陣にも注目しています。
たとえば、今年からロッテの
監督を務める吉井投手コーチには、
「最高のコーチは教えない」
という著書があります。
勉強会仲間に教えてもらって
読みました。
わかりやすくて、
読んでよかった1冊でした。
コーチングを学び実践し続ける人の
言葉には説得力があります。
ちなみに、吉井コーチの
尊敬するコーチとして
この本にもでてくる
権藤博さん(前WBC投手コーチ)も
教えてうまくなるやつはいない
と、言っています。
教えてはいけない
というよりも
教えることによって、
自分で考えることを
やめることにつながり
かねないからだと思います。
おふたりが言いたいことは、
コーチの仕事は
選手を伸ばすことで、
それは、
教えることではなく
自分で考えさせること
ということなのでしょう。
これって、上司の方も同じだと
思います。
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教えることも場面によっては
もちろん大事だと思うのですが、
教えたから育つ、という
ものではありません。
そうであるなら、
上司の役割は
教えることではないと
いうことになります。
すでに教育の現場では
答えを教えるのではなく、
考えさせる授業をしている
といいます。
先生の役割は
児童たちが自分で考える
ように導くことが大切、と、
変わりつつあります。
そんな環境で育ってきた
若者を受け入れる企業も
当然ながら
「教える」以外の「育てる」を
実践していかなければ
ならないと思います。
ポイントは本人自身の
「気づき」です。
気づくのは自分自身で
気づくしかないので、
気づくかどうかは、
本人に任せるしかありません。
上司にできることは
ないのでしょうか。
いえ、上司には
気づいてもらうために
できることはあります。
教えたほうが早いんじゃない?
と言う方もおられますが、
そんなときは、再度確認
しています。
もしも、
上司の思ったとおりに動く部下を
求めておられるなら、
教えたほうが確かに早いです。
でも、自分で考えて動く部下を
求めているなら、
教えた時点で、部下の成長は
止まってしまいます。
後者のほうを求めているなら、
上司ができることのひとつに
「質問」があります。
実は、
「教えることをやめてみてください」
と、お伝えすると
「教えないと決めても、なんでも
聞いてくる部下がいるんですよ、
教えるのを止めても大丈夫でしょうか」
と言われることがあります。
でも、それって、聞けば答えて
くれるから、また聞いてくる、
の繰り返しだと思うんです。
自分で考えて間違うより、
聞いたほうが間違わなくてすむ
という考えなんだと思います。
ですから、そんなときは
「どうしたらいいと思う?」
という質問返しで応じてください、
とお伝えしています。
案外、答えが返ってきます。
慣れていないので、ちょっと
時間はかかるかもしれませんが。
ここで大事なことは
言語化した内容を否定しない
ということです。
いったん受け入れて、
そういう考えもあるねと
認めることが、
信頼関係にもつながります。
本人自身も、自分の言葉で
言語化することで、
客観的に事実を見ることにも
つながります。
でも、上司として
何より心がけていただきたいことは
そもそも、この会社で成長したい、
育ちたいと思うかどうか
その環境づくりができているか
どうかだと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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