「人と人は分かりあえない」からがスタート

第863号

M-1のことをメルマガで取り上げてきて、
かれこれ5年目になります。

毎年、審査員の点数が物議をかもして
います。

そもそも、評価の基準がない、いわば
個人の好みで評価するのですから、
論争は当然と言えば当然で。

漫才が身近な大阪人にすれば
一人ひとりの漫才観があって、
M-1翌日から総評論家になるのは
もっともなこととも言えます。

今回の結果には、初めて私も
異論を唱えたくなりました。

私のなかの「正しい」が発動です。

正しい思うこと、すなわち
価値観があって
なかなか自分の説を曲げられ
ません。

価値観は人それぞれだとわかって
いながらも、
それを認めることは難しいものです。

今回はこの、価値観について考えて
みました。
————————————————————-

私が年に1度大阪人であることを
実感するのがこのM-1です。

僭越ながら「漫才ブーム」を見てきた
世代としては、しゃべくり漫才こそが
王道という意識があります。

いわゆる掛け合いの漫才です。

ですから、悪口を並べるだけに見える
漫才が、一番おもしろい漫才師という
称号を与えられるというのは、

ちょっとすぐには、受け入れがたい
ものがありました。

ただの素人なんですが、熱くなります。

思い入れとかが強いと、余計に自分の
“正しい”に固執してしまいます。

人に関する相談は社労士の領域だから
鈴木さん、と、ご相談をいただくのは
ありがたいことです。

ありがたいのですが、人の問題は簡単
には決着しません。

まさに価値観のぶつかりあいです。

たとえば、

上司の方が部下に、何を言っても
通じないからと、部下とコミュニ
ケーションすることをあきらめて
いました。

それがある日、お客様のクレーム
を機に、上司の暴言となって爆発
してしまい、部下からのパワハラ
相談にいたる。

というようなことがあります。

お互い言い分はあります。

まずはじっくり聴いて
正しい、正しくないという
切り分けではない視点で
解きほぐしていく必要が
あります。

コミュニケーション、対話の必要性は
誰もがよくわかっていることですが、

これらを「やり方」だけでとらえて
いると、

やらなければ、身に付けた手法も
活かすことはできません。

ですから、やってみようと思えることが
大切です。

それには、相手を知りたいと思うか
どうかだと私は思っています。

相手を知ることをあきらめたとき
人と人は行き違ってしまうんだと
思っています。

人と人は

「思考」も「行動」も「欲求」も
違います。

これら、価値観が違うものを
何度話し合おうと、
わかりあえないものです。

そこまではわかっているかも
しれません。

肝心なことは、そこをスタート
として、次にどういう行動をするか
です。

話してわかりあうことはできなくても
相手を観ることはできます。

自分と違う意見を持つこの人は
どういう人なんだろう。と
思えるかどうかです。

最初はもちろん、
難しいかもしれませんが、

わかり合えないから
相手を観るのもやめるのか、

相手を知ろうとするのか

組織の進化のプロセスを描いた
「U理論」では

進化の逆をあらわした
プロセスも描いています。

下の図のUの字を上に行った場合が
進化の逆(破壊)です。

相手を観るのか

観ないのか

これが大きな分かれ道です。

私にしても、M-1チャンピオンを
認めたくないので、気が付くと、
否定的な記事や芸人の言葉に
耳を傾けて、

「あれはあれですごい」という
評価には耳をふさいでいました。

自分の正しいを守るには
耳に入れないことが一番有効です。

そして正直、このほうが楽です。

でもその先には修復できない
破壊しかないとわかれば、
「観る」しかありません。

コミュニケーションは対話、
だけではないと思うんです。

いきなりそこにいかなくても
その手前で、

”否定しないで”
『客観的』に相手を観る

という行動を、

自分は取れているか?と
自問自答することが出来れば、

知らないうちに、Uの字の
上を行っているのなら
立ち止まることができ、

それが、人間関係を好転させる
きっかけになると思います。

お読みいただき、ありがとうございました。
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人事評価制度の作り方 2023年1月17日(火)

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