第850号
評価の基準に、自分ができるだけでなく
「教えている」というのを入れています。
この「教えている」というのが
なかなか難しいようで、
上司のなかには、
「わからなかったらいつでも
教えるから聞きにきてね」と
言っているのですが、
なかなか聞いてこないと
嘆いているというのです。
そもそも教えるって
どう説明すればよいでしょうか。
そんな質問が人事からありました。
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以前も触れましたが、
組織の成果は、ひとりで成果を
出すより、組織全体が少しずつでも
成果を増やすことが組織の成果に
より大きくつながると考えています。
そこで、自分だけできていればよい、
というのでなく
周りに教えるということを
一般職の段階から、日常、意識して
実践してもらうために、
すべての階層のシートの
評価基準に入れています。
中堅職から、
教える体勢はできているのに
部下が聞いてこないから
教えられない、
という意見を、私も聞くことが
ありますが、
どうして、部下は聞きにこない
のでしょうか。
これまで、仕事のなかでは
どういうふうに教えていたのですか?
と聞いてみています。
すると、
やり方を教えて、
「こうしたら上手くいくから
1度やってみなさい」
と言っているとのことです。
やってみなさい、というのは
教えている、ではなくて
指示として、捉えられても
仕方ありません。
必ずしも、上司のやり方が
部下にとっても上手くいく
やり方とは限りません。
やってみなさい、は
言い過ぎでした。
教えてください、と言った
からといって、
教えらえたことが
自分ごとになるとは、
限りません。
人はやりたいことしか
しようとしません。
やりたいことは、
できるイメージが浮かびます。
イメージが浮かぶから
行動に移せます。
行動は、指示したからといって
できるものではありません。
ところで、
わからなかったら
いつでも教えるから聞きにきてね。
というのは、
一見、気遣いがあって
優しいようですが、
自分からは教えないということです。
教えたらそれは指示してる
と言われるし
いつでも聞きにきてね
と言うのは、教えていないと言われるし
上司の方は、困惑するかも
しれません。
「教えなきゃ」という
気持ちもわかります。
自分自身の評価基準に、
教えると入っているから、
教えることが目的だと
思いがちですが、
少なくとも、中堅職以上には、
教えるとは、部下ができる
ようになることまでを指して
「教える」と、私は考えています。
そのためには、
やり方を教えることが
必要なこともありますが、
ヒントを与えて自分なりの
やり方をみつけて、できる
ようになってもらうことも
あります。
長い眼で見れば、
そちらのほうが、よい場合が
多いです。
でもそれを選ぶにしても
どうしたいのか、
まずは部下の意見を聴く
ことが大切です。
そうすれば、指示している
という伝わり方には、ならない
と思います。
行動できなさそうに
しているなら声がけして、
まずは、現状、どこでつまずいて
いるか、聴くことだと思います。
「いつでも聞いてきて」
の代わりに、
「ちょっと状況教えてください」
という感じが大切だと思います。
現状を聴いたうえで、
部下に何が必要で、
何が上司に求められている
ことなのかが分かった先に
初めて教えるということの
効果があると思います。
このように、「教える」
ということについてお伝えすると、
「その通りというわけではないけれど
だいたいやっているんですけどね」
と言われることがあります。
実は一番最初にすることがあります。
それは、最初に、
できるようになるイメージの共有です。
何をもって「できている」
というのか、です。
部下の理解度を確認
するために聴いてみる、
ことからです。
教えるってどうすれば
よいのか、迷うことも
あると思いますが、
その答えをみつけるためにも、
まずは聴くことから始まる、
と、言えるのではないかと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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