自主的に動く社員を育てたい

第842号

自主的に動く社員を育てたいなら
自主的に動きなさいと言ってはいけません。
言った時点で、強制になってしまうからです。

以前、ブログでも、こうお伝えしたのですが

でも、それはわかっていても
つい口出ししてしまいたくなる、
というのもわかります。

わかっていても、つい言ってしまうなら
言えばいいと思います。

ただ、使う言葉は選ぶ必要があります。
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先日、少し涼しくなってきたので、
部屋の片づけをしようと思って、
かえって散らかしてしまった部屋で
呆然としながら   

もう何十年も前の母の言葉を
思い出しました。

「どうしてこんなに部屋を散らかすの、
きれいにしなきゃだめじゃない」

と言いながら、

動こうとしない私に代わって
いつも子供部屋のおもちゃを
片付けてくれました。

散らかしても
文句言いながらも
お母さんが片づけてくれる。

やってくれる、と思った途端、
おまかせ状態です。

母は片付けがうまくて、
見ていたんだからそのやり方を
今、思い出せればよいのですが

叱られたことは覚えていても
どうやって片付けていたのか
覚えていません。

自分の部屋なのに、
きっと他人事だったんでしょう。

自分で考えようと思って
考えないと、

いつまでたっても
自分ごとになりません。

自分事にならないと
自主的に動くことはできないものです。

仕事でも、

自分で考えて動きなさいと
社員を叱りながら、

当たり前のように社長が
営業から管理まで
ひとりでやっている場合があります。

そのほうが早いし、
間違いがないからね。と
おっしゃいます。

社員が10人程度のころなら
まだしも

50人を超えるようになっても、
忙しいといいながら人一倍
動いておられる場合があります。

決してそれがよいとは思って
おられませんが、

人は合理的に判断しているつもりでも
非合理的なことを、わざわざ選んでいる
ことがあります。

それでは、会社は、組織になりません。

このままではまずいという
危機感があるからこそ、
つい口出ししてしまうとも
言えます。

残念ですが、それは結局、
社長自身がやってきたやり方を
正解として、

それに自分で気づいて出来るように
なりなさい。

と言っているのと同じだと思うんです。

やり方も含めてすべて自分で考えて、
その結果、社長と同じやり方に
なるのとは訳が違います。

本当は、社長、口出し禁止、と
言いたいところですが、

それもなかなか難しいと思います。

だったら、言ってもよい言葉を
決めておくというのはどうだろう、と
思っています。

「つい言っちゃうんだよ」という社長に

何かいい方法ない?と言われて

次の3つの言葉をお伝えした
ことがあります。

1.現状、どう思う?(現状)

次に、

2.それが、どうなったらいいかなぁ?(理想)

そして、

3.じゃあ、2の状況を作るために何から始めてみようか?(行動)

この3つをまずは試してみることを
おすすめしたら、

「最初は単に言葉を口にするだけ
だったのが、
だんだんと、時間軸を伸ばして
社員の成長を考えられるように
なった」

とおしゃっていました。

つまり「信じて待てる」ようになったと
いいます。

言葉の意図が腹落ちされたようです。

やはり、自分で気づいたとき、
人は変わるのだと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。
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