第815号
野球に興味がない方には申し訳ないのですが、
唯一、三度の三冠王に輝いた落合博満さんが、
「コーチング」という本を書いています。
野球とコーチング
今はそれほど不思議ではないのかも
しれませんが、
この本が書かれたのは2001年。
20年前に、
『まず「個人」があって「組織」がある時代』
と、この本のなかでサラッと言う落合さん。
すごい選球眼ならぬ先見の明です。
監督と選手の関係性についても
コミュニケーションの主体は選手、部下、
教えられる側だと言います。
選手や部下が教えられたことを理解して
実行しようとしなければ、すべての
物事は前に進みません。
つまり、選ぶのは選手、部下本人です。
では、どうやって人は、選んでいるので
しょうか。
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例えば、目標設定では、
自分で目標を書いたとしても
それだけでは自分で決めた、
とするには不十分です。
仮に、
「これはあなたが決めた目標ですか?」
とたずねて、
「はい、そうです」と、自ら
口にすることで、
自分でその目標を設定(選択)したことが
明確になって、
行動につながるものだと思います。
自分で言語化することが大切です。
『コーチング』第4章
「組織の中で、「自分」を生かす術」には、
こんな一節が書かれています。
人間は、他人の立てた目標に対しては
言い訳を探してしまうが、自分の立てた目標
については何が何でも達成しようという
気持ちになるものだ。
ここから「個人」としての存在意義を実感し、
充実した気持ちで仕事に取り組んでほしい。
ポイントは”自分で立てた目標”
ということです。
自分で立てた目標をクリアー
していくことがモチベーションに
なるんだと言います。
だから、やるもやらないも、
選んでいるのは自分(主体)で
なければならないんだと
いうことになります。
いったい、
人はどうやって選んでいる
のでしょうか?
アメリカの精神科医
ウイリアム・グラッサー博士が
提唱する「選択理論」があります。
「全ての行動は、
その人が快を求めて選択している」
というものです。
この快は、客観的にでなく、
あくまで、「自分にとって」です。
この快を、私たちは
意識、無意識にかかわらず
選択しています。
自分で選んだからには、
言い訳できません。
おのずと責任も生まれます。
選択には、制約もあります。
組織であれば、目的であったり
ビジョンだったりです。
まず、快で選ぶ「個人」があって
かつ、「組織」がその先にある。
というのは、大事な視点です。
個人タイトルを取って、
チームの優勝に貢献する。
という考え方も同様です。
そのための練習は俺流、
試合は監督の采配に従う、
というのが落合さんの流儀でした。
組織のなかで、
自分を生かす(快の)ために
どう動くかを自分で選ぶための
機会(場)を与えるのが
コーチングなんだと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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