信頼関係の強さが経営者の大事な決断を遅らせる

第814号

チームビルディングを学んで、
真のコミュニケーションは
良いことも悪いことも対等に
言い合えること。

いわゆる遠慮しない、

というのがポイントだと
いうことは知っています。

実際には、知っていても、
現実にその場に出くわすと

勉強会の演習で
仲間の言う意見と
ちょっと自分の意見が
違うなぁと思っても、

まぁいいか、と思って
そのままにしてしまったり

あえてこれくらいのことで
波風立てなくてもいいや

と我慢してしまうことが
あります。

人となりを信頼して
相手の意図を感じとって
そのまま受け入れて
しまっています。

一見、阿吽の呼吸で
わかりあっているようですが、

勉強会の目的や
私たちが学び、目指す
その先を考えれば、

やっぱり意見を言うことが、
お互いの成長や気づきのために、
よかったんだと思います。

関係性ができていないから
遠慮して言いたいことを
伝えられないのでなく

関係性が深まってきている
からこそ、

言いたいことが伝えられない
ことってあります。

部下が上司になかなか直言できない
ということだけでなく、

実は上司も部下になかなか
言えないことってあるものです。

それが経営者の場合だと、
会社の大きな決断を見誤ることに
つながることだってあり得ます。
———————————————————————–

築き上げてきた人間関係が、
聞いたり、伝えることを
躊躇させます。

どこかに無理や我慢があっては
良い組織とは言えません。

私は、何か決断しなければならない
ことを経営者の方に相談されたとき、

「会社がどうなっていればよいですか?」
と聞いてみます。

「(みんながそれでよいといって)
うまくまわっていればいいです」

この答えでは決断できません。

三国志に書かれている
「泣いて馬謖を切る」という言い伝えは、

規律を保つためには、
たとえ愛する者であっても、
違反者は厳しく処分することの
たとえです。

例えばこのコロナ禍で
会社の組織変革や
店舗の撤退を迫られたり

経営者が自分の右腕の、
同期の二人のどちらを
関連会社のトップに任命すべきか
決めなければならないときなど、

普段なら強みとなる
良好な関係性や信頼関係が

緊急時には大事な決断を
遅らせる弱みになってしまう
ことがあります。

なかなか人は
人とコト(事柄)を
分けて考えることができません。

先代が、後継者には、
人間関係について、
自分がしてきたような
厳しい決断はできないだろうから、

私の代のうちに、
ルールを整備しておきたい、

とおっしゃることが
多々あります。

まさにそういうこと
なんだとも思っています。

コミュニケーションや
信頼関係がないほうが
やりやすい、
ということではない

と、わかっていても、

決断の難しさを
ルールを強化することで
代替しようと、
してしまいがちです。

でも、
ルールにも限界があります。

あらためて言うまでもなく、
コミュニケーションを
取ることは大事ですし、

信頼関係という関係性を
築くことは、

仕事を円滑に進めていくために
大事なことです。

信頼関係があるからこそ
部下に仕事を任せられます。

信頼関係の強さが
マイナスにならないためには

まずは、人とコトを分けて
考えることが前提だと思っていて

そのうえで、経営者も社員も
お互いに、

ミッションやビジョンという、
会社の指標に粛々と従う
ことだと思います。

その決断があって
会社がうまくまわっている。
ということに“なる”のだと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

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