上司の役割は教えることではなく育てること

第805号

製造業のお客様が多いのですが、
製品づくりの現場では、技術を
教えながら作ることが普通なので、

部下面談もその延長線上で考えて
育てることは教えること、
というふうに捉えがちです。

教えることは大事ですが、
教えたから、育つという
ものではありません。

すでに教育の現場では
答えを教えるのではなく、
考えさせる授業をしていると
いいます。

先生の役割は
児童たちが考えるように
導くことが大切、と、
変わりつつあります。

そんな環境で育ってきた
若者を受け入れる企業も

当然ながら「教える」を
アップデートしていかなければなりません。

キーワードは教育現場だと
「導く」ということになると思います。

「教える」から「導く」には

・答えを導くことを突き詰める手助けをする
・答えを導き出せるように導くこと

これからの上司に必要な役割だと
思います。
—————————————————————-

そもそもうまく教えようと、
下手であろうと、
すべては、受け取る側しだいです。

何より、目的は
「教える」ことではなくて、
育つ(成長する)ことです。

育つためには、育つように
導くことが上司の役割だと
思います。

導くというのは
支援するとも言えますが、

今、その最適な方法として
注目されているのが1on1です。

「ヤフーの1on1」
https://www.amazon.co.jp/dp/4478069786

この書籍のなかで

1on1とは、
部下の進捗を確認し、
問題解決をサポートし、
最終的には部下の目標達成と
成長の支援を行うもの。

としています。

これまでも行われていた
評価のための部下面談とは
どこが違うのでしょうか。

評価のために行われてきた
部下面談は、

期初にたてた目標の”進捗管理”や
行動の修正や”指示”が多いと
感じています。

たとえ、この回数を週1回とか、
定期的に時間をとって
接触頻度を上げても、

それだけでは1on1と
同じとは言えません。

進捗管理や指示をする
のは上司であり

面談で、話す主役は
上司になりがちです。

これでは上司と部下の
信頼関係が深まるとは
言い切れません。

1on1というやり方は
信頼関係を構築することが
目的のひとつでもあります。

部下自身に内省して
気づいてもらうことが
成長につながると考えれば

話してもらわなければ
始まりません。

信頼関係が深まらなければ
部下は安心して上司に話を
しません。

話してもらうことで
実は、上司も部下を
知ることができます。

知ることから信頼は生まれます。

信頼関係は上司が部下に
仕事を任せるうえで
大切なポイントです。

なぜなら、
仕事を任せて経験しなければ
人は育たない、

というものだからです。

人は学びの7割は
仕事経験から学ぶという
『経験学習』の考え方があります。

1on1ミーティングでは

部下の実際の経験を掘り下げて
内省してもらい、

他のケースにも応用できる
ように教訓を引き出し、

次の仕事に活かしてもらう
この経験学習の促進も
目的のひとつです。

ここでの主役は部下自身です。

部下のための時間となって、
面談は、初めて意味があります。

そして上司の役割は、と言えば
コーチ役として

フィードバックの支援や
取り組みの間違いの修正を
支援できるか、が鍵です。

教えなくても
人を育てることはできます。

むしろ、これまでの
経験や知識がないほうが、

「教える」ことに
とらわれず、

人を育てることができる、
とも言えます。

人を育てるには時間がかかる
ことは、誰もが知っている
ことですが、

それでも、社会の移り変わりが
速い時代に成果を出すためには
人を育てるスピードを
あげなければなりません。

そのためには、
自ら成長しようと部下が思える
ようになることが、成長を加速します。

そのための、成果を出している
方法の一つが1on1だということ
なんだと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

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