第799号
通称「パワハラ防止法」労働施策総合推進法が
4月1日から、すべての企業が対象となり、
これによって、パワーハラスメント防止措置が
事業主の義務となりました。
厚生労働省
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/491268.pdf
ハラスメント研修の依頼が多いでしょう。
と、企業研修を多く行っている
仲間に聞くと
少し前は確かにそうだったけど
今は「コンプライアンス研修」の
依頼が多いんですよ、
という答えでした。
ハラスメントもコンプライアンスの
範囲の1テーマであると考えると、
納得です。
コンプライアンスと言えば
法令遵守を思い浮かべますが
それだけではありません。
重要性を伝えるあまり
危機感をあおるようなことに
なっては、思考停止を招いて
逆効果にもなります。
ルール遵守が行き過ぎると
いわゆる『管理』が先にありきで、
エンゲージメント
(企業と従業員が信頼関係を前提として
互いに貢献し合う関係性)が下がってしまいます。
コンプライアンスを高めるためには
法令遵守 プラス エンゲージメントの
向上が必要だと思います。
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4月からは、個人情報保護法も
改正施行されていることもあって
コンプライアンスへの対応の
必要性が高まっています。
コンプライアンスというと
直近では、株式会社吉野家の
役員の不適切すぎる発言が報道
されました。
とはいえ、コンプライアンス
というと大企業の話、と思いがちです。
中小企業においても、
服務規律
機密保持
ハラスメント
競業禁止
これらは就業規則における
コンプライアンス項目で
身近な問題です。
研修やセミナーに参加して、
法律を知り、
やってはいけないことの
知識が豊富になったとしても、
知っていることと
できることの間には
大きな開きがあって
行動できるようになるには
時間がかかります。
行動と結果を結びつける
取り組みを明確にする
トリプルループ学習思考
というのがあります。
これに則って
順を追って整理してみると
(1)物事に「適切に」取り組む-シングルループ学習
法律を学び、知っていることは
大事です。
例えば、パワハラについても、
法律が求める
「職場におけるパワーハラスメントを
防止するために講ずべき措置」(義務)を
整えることは大前提です。
(2)「適切な」物事に取り組んでいる-ダブルループ学習
知識だけあっても
実際には何をすべきか、
どう行動すればよいのかは
わかりません。
なにより、
法律が禁止しようとしまいと
社会常識に照らしてその行動は
どうなのか?
いわゆる倫理的、道徳的見地に
照らし合わせてみることも
求められます。
(3)何が適切で、何が適切でないかを、
どのように判断しているのか-トリプルループ学習
適切に取り組むためには
判断できるアンテナを
常に張っているかどうか、も大事です。
・何を社会から求められているのか
・期待されている責任とは何か
という意識が必要なんじゃないかと
思います。
そしてこの
適切なことがらに
適切に取り組むための判断軸が
「使命」=ミッションだと思います。
実際、ルール化には限界があり、
実務の現場では事例学習では
想定できないことが起こり得ます。
そんなとき、個々の判断や
行動にゆだねられたとき
ミッションがあるかないかが
重要です。
ですから、ミッション(価値基準)が
社内で共有できているか。
これが大事です。
簡単に言ってしまえば、
約束を守れるかどうか、です。
吉野家の件で、
該当インタビューのなかで、
「がんばっているお店の人がかわいそう」
という声がありました。
株式会社吉野家ホールディングスが
掲げる従業員への約束のなかに
「従業員やその家族がグループに
所属していることを誇りに思えるような
企業になります」
があります。
https://www.yoshinoya-holdings.com/company/group/promise.html
共感なくして、エンゲージメントの
向上はありません。
グループ会社とはいえ、
役員の一言は、この約束を反故に
してしまいました。
コンプライアンスを高めるためには
法令遵守 プラス エンゲージメントの
向上が必要だと思う。
と最初に言いました。
結局のところ、
コンプライアンスを高めるには
・いかに会社を誇りに思ってもらえるか
・会社の代表としてふるまえるか
当たりまえのことだけど一番難しい、
やはり、ここが問われるのだと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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4月28日、5月17日 同じ内容です。
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成果を出すうえで、緊密な関係性が
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作り方をゲームを通じてお伝えします。
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セミナーをご紹介いただければ幸いです。
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