第788号
「いずれはやらなければならないと思っています」
ちょっとご相談があるのですが、
と言われてお話をうかがった最後に、
「それで、いつ頃実行しようとお考えですか?」
とたずねると、
最初のような言葉が返ってきました。
同じように、
「5年くらい先にはやろうと思っています」
と言われることもあります。
その言葉に嘘はありません。
嘘がないからこそ、
このお話は、まだ先の話だな、
って思うようにしています。
いずれは、とか
5年くらい先っていうのは、
いつやるか、まだわからない
ということなんだ
ということです。
絶対とは言いませんが、
「思っています」が
取れないうちは、
まだ決めていない
ということなんだと
思っています。
自分でやると決めないと、
人は動けません。
でも、決めるって大変です。
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以前、コロナの前ですが
経営者の方とお昼ご飯を
ご一緒したとき、
「どうしようかなぁ」って
メニューで迷っておられる姿に
お付き合いの長さもあって、
「めずらしいですね、
いつも決断が早いのに」
と言うと、
「ごはんくらい少しは悩ませてよ」
と、笑いながらおっしゃいました。
その様子に、経営者は
決断の連続なんだなぁって
思ったものです。
組織の変更や賃金改定
あるいは最近は事業承継も、
いろいろとご相談を受ける
機会がありますが、
まず、心がけていることは、
ご相談者が、やると決めているか
どうかを確認することです。
出来たときのイメージがあって、
こうなりたい
こうしたい
という意思が固まっているか
どうかです。
どうやって実現するか、
そのやり方を考えたら
簡単には決められないでしょう。
確かにそうかもしれません。
無茶なことを承知で
言うと、
経営者の場合
何もなくても決めるのが仕事、です。
打つべき手段の最善手を
探すことも大事ですが
決断できる情報が少ない中で
どうやって決断していくか。
これが、決断力だと
私は思います。
もちろん、
慎重に情報をそろえてから
決断すべきこともあると思います。
そういうときは、
判断する情報がそろってから決断するのか
情報がそろう前に決断するのか
まずこれを、やっぱり、
決めることが必要です。
そして、決めるときの
よりどころは
時間軸に落とし込んで
考えてみていただき
今やるべきことは何か
今やらないことは何か
そんなふうに考えていただきます。
このときイメージできなければ
その結果、
今は決めない、という
決断をしていただくことも
大切です。
やらないことを”決める”ことも、
前に進んでいくために
非常に重要です。
決めないと
延々悩み続けることに
なります。
このような場面で、
私たち士業、コンサルタントの役割は、
もちろん、決めることでなく
自分の意志で確かに
『決めた』『選んだ』
と思っていただけるように
「どうなりたいですか」
「どんなふうになっていたらいいですか」
あるいは、私の視点からみた
可能性をお伝えしたりして、
経営者、相談者の選択に
関わっていくことです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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