期待値と職能資格制度

第775号

その日も、気前がいい妹が
お昼をごちそうしてくれるというので、

なんだろう?

中華かしら お肉かしらと
期待に胸膨らませてついていくと、

そこは、おいしいと評判の
お蕎麦屋さんでした。

確かにおいしかったです。

でも、これまでの経験や
妹の嗜好から、

蕎麦という選択肢は
一切思いつかなかったので、
びっくりです。

正直、私の期待値は
勝手に裏切られた
ような気持ちになって
しまいました。

仕事の場でも、勝手な期待値
というのはあるものです。

今日は職能資格制度が
年功序列になってしまうのは、
期待値が裏切られているから

そんなお話をしたいと思います。
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多くの会社が採用している評価制度に、
能力を評価する職能資格制度があります。

勤続年数が長くなれば、それだけ

職務遂行能力が高いと定義付けて
いるために、

これが、結果として、
今は、年功序列を生む元凶のよう
にも思われています。

勤続年数が長いと能力が高くなり、
能力が高ければ、実行力も上がる
という前提のため、

能力が下がることもある、

という想定をしていません。

これもまた期待値です。

実際、賃金と能力のミスマッチ
状況を見れば、

評価に対して、期待値が
裏切られていると、言えなくはありません。

確かに能力は目に見えるもの
とは言い難いので、

それを評価するのは難しいですが、

職能資格制度が年功序列を
生んでしまったのは、

どういう能力を保有していることを
期待しているのか、

伝えていなかったことにも
問題があるように思います。

いったいどういうことを
期待しているのか、

それを伝えていなければ、

評価対象を能力から行動評価に
切り替えたとしても、

やっぱり、期待はずれに終わる
可能性大です。

何より、期待はずれに思って
いるのは、会社ばかりではありません。

社員にしても、そう思っている
かもしれません。

結局のところ、期待するには、
まず相手をよく知ることです。

知るためには、相手に話して
もらわなければなりません。

そして相手に話してもらう
ためには、

仕事の何をどうすることに
期待しているのかを

最初に説明する必要があります。

そうすれば、無用な期待外れは
なくなり、

お互いの期待値をそろえることが
できるのだと思います。

私も次に妹におごってもらうときは、
マナー違反かもしれませんが、

今日は何をおごってくれるの?って、
聞いてみようかなぁって思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

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