第768号
この間の日曜日は、漫才日本一を
決定するM-1がありました。
関西の視聴率は28%
関東より10%も視聴率が高いのです。
大阪じゅうが評論家になってしまう
と言われるのもわかる気がします。
そして、かくいう私も大阪人です。
M-1は、いったん休止の
期間を経て、現在は、
結成15年未満の漫才師の
日本一を決める大会です。
今年は6017組がエントリーしました。
M-1の少し前には、THE W
という女芸人の日本一を
決める大会もありました。
この2つの大会は審査方法が
全然違います。
THE Wは
ネタが終わるごとに暫定1位を
決めていく「対戦形式」
そして最後に勝ち残った組が
優勝です。
M-1は
ファーストラウンドは各審査員が
100点満点で点数をつけて
上位3組が決勝に進出します。
決勝ラウンドでは審査員がおもしろいと
思った1組に投票する形で決定します。
言ってみれば、
THE Wは相対評価
M-1は絶対評価
と言えるのではないかと
思います。
絶対評価だから公平
というわけではないわけです。
では、評価はどうすれば
信頼されるのか?
今日はそんなお話です。
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THE Wは審査について
ずいぶんネットでも異論が
出ていましたが、
M-1も毎年、その審査に
ついてはクレームが
多いものです。
両方ともに審査基準は
「おもしろい」です。
一見公平なように見える
絶対評価も、
基準となるものさしが
同じでなければ
結局のところ、公平とは
なりません。
お笑いの大会は、ほかにも
R-1やキングオブコントといった
大会もあり、この2つの大会も
審査方法を何度か見直してきました。
それでも、毎回終わるたびに
審査にケチがつけられます。
どこまでいっても、
誰にとっても
公平というのは
あり得ないのだと
思います。
それは、人事評価も同じです。
絶対評価と相対評価の
定義のおさらい———————-
絶対評価:設定された教育目標に対し、
個人がどれだけ達成したかを評価する方法
相対評価:なにかと比べてその優劣を批評すること。
絶対評価は評価シートの点数が同じなら、
評価は同じです。
相対評価は点数が同じ人が複数いても、
そのなかで優劣をつけるものです。
————————————-
管理職が、研修で
どんなに着眼点を揃えたり、
自分の視点を変えようとしても
人と人は違うものです。
そしてそれは悪いことでは
ありません。
揃えようとしても
価値観がちがうのですから
無理があります。
結局、評価に公平さを
求めるのではなく
評価には、納得を求めることで
信頼を得られるのだと思います。
M-1が終わると、一斉に
芸人さんが分析・解説するのは
審査と自分の印象のギャップを
埋めて、
納得するためでもあるのだと
思っています。
たとえば、
「どうして〇〇さんより私のほうが
評価が低いんですか?」
という誰かと比較する質問は
絶対評価であっても
社員さんから出てくるものです。
つまり、これも
不公平云々よりも
評価の内容が納得いかない、
納得させてほしい、
ということなんだと思います。
M-1のようなレジェンドが
審査するのであれば
審査基準は「おもしろい漫才」
というだけでも
この人がつけた点数だから
という納得が生まれますが、
人事評価では、それでは
仕組みとして、成り立ちません。
ですから評価のものさしは
“誰か”に設定する
のではなく
人ではない、共通のものさしを
設定したうえで、
現状の位置を確認し、
フィードバックで
前回の地点からの
伸び具合を伝え、
実感してもらう。
そこに納得が生まれると
思います。
絶対評価に公平を
追い求めるのでなく、
共通のものさしを持って
それが機能していることが
人事評価の信頼につながります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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