納得は「前向きの妥協」

第766号

人は行動するとき
何のためにやるのか(目的)
なぜやるのか(理由)

これが明確でないと
なかなか動けません。

成果は戦略×実行です。

いかにすばらしい戦略をたてても
それを実行しなければ絵に描いた餅
になってしまいます。

そこで、
社員に行動してもらうために
目的や理由を、

時には何度も伝えておられる
ことと思います。

残念なことに、だからといって
行動してくれるとは限りません。

社員の納得があってこそ、です。

では、社員は何に納得するのでしょうか。

今日は社員の納得についてお話します。
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たとえば、社員に向けて
来年度の目標を話すとき、

真面目な経営者ほど

“きちんと”指示できるように
“きちんと”準備することを心がけて、
説明します。

でも、そういう手順を踏んで
やっていたとしても

必ずしも、実行に結びつかない
こともあります。

「きちんと」というのは
説明する側からすれば

それは、100%の合意を
目指していることだと
思います。

私は、
100%の合意を目指す
必要はなく、

100%の行動を起こすための
納得があれば、
十分だと思っています。

まったく合意が不要と
いうことではなく、

核となる部分以外は
ある時点で
いったん決めたら
後から修正するとして、

とにかく前に進む
という実行力が必要
だと思っています。

納得するためのポイントは
共感です。

気持ちがわかる、と
思ってもらうことが
大事です。

「そこまで言うならやってみようか」

この感情は大事です。

100%の合意がなくても

気持ちがわかる(共感)
そこまで言うなら(納得)

行動できる、

というわけです。

社員説明会や会議では
「その説明では納得できない」
という声が上がることも
あります。

そんなとき、

「知りたいと思っているから、
そういう発言になるんですよ」

と、経営者の方には伝えて
きました。

じゃあ、この
「納得できない」に
応えるためには

「そんな説明では伝わってこない」
「それでは信じられない」

という思いに対して

もっと詳細に
あるいは具体的に
説明すれば

わかってくれる
というものではないと
思います。

そうではなくて、

「よくわからなくても
よし、やってみるか」

と、思ってもらえることを
目指すことだと思います。

共感が人の感情であるように

理路整然と語ることから
納得や共感が生まれる
ものではありません。

納得や共感は、説明する人の

何のためにやるのか(目的)
なぜやるのか(理由)

その人の話す熱量や
何度も伝えることで

その心情がわかるというとき、

生まれるのだと思います。

いわゆる精神論ではなく

人の”気持ち”は
行動において無視できない
ということです。

「〇〇さんがそう言っているなら
いいんじゃないか」

というような

『戦略と実行』清水勝彦著

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のなかに出てくる言葉を
借りれば

この「前向きの妥協」
実際の現場での納得の姿
なんだと思っています。

戦略で成果を出すための
実行力には

論理だけでなく、
伝える側の思いも
重要な条件です。

お読みいただき、ありがとうございました。

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