役割は意識する

第763号

プロ野球はヤクルトスワローズの
日本一で終了しました。

ヤクルト高津監督は
適材適所の投手起用だと
褒められ、

オリックス中嶋監督は、
選手個々の役割を明確にして、
その役割に従って仕事を与えてきた
戦い方が、

日本シリーズでは
そこにこだわりすぎた、

と評されてしまいます。

結果がすべての厳しい世界です。

ふたりの監督の采配について、
どうこう言えませんが

どういう役割をこなすのか
役割のとらえ方に、
少し違いがありそうです。

役割には
固定的な役割といわれる静的役割と
臨機応変に変わる役割の動的役割
があります。

役割分担を意識しすぎると
静的役割ばかりに気を取られ

もうひとつの動的役割を
活かしきれていないという
ものです。

今日はこの
”役割を意識する”
というお話をしたいと
思います。
——————————————————–

役割を明確にすると言うと
いわゆる「役割分担」
という話がでてきます。

役割分担とは
仕事に紐づけて、
自分は何をするのか?
というものです。

役割が明確になるのは
良いことですが、

そこを意識しすぎると
「それは私の仕事ではありません」

と、仕事に線を引いて
しまうこともありがちです。

人によっては、
部長であっても、
課長の役割も
こなしていたりと、

役割の範囲を超えて
担っているという事実
もあります。

役割等級制度というものが
ありますが、

役割を定義しても、実際の
仕事に差があることから

評価制度に役割を取り入れる
ことは難しいと感じています。

ところで、

チームビルディングの
視点で見ると

「役割」とは
「役割分担」=仕事の分担
というより

「役割を意識する」と
考えます。

役割を意識するとは
成果をだすことを意識しながら

役割に応じて、何をやるべきかを
考えることです。

この場合の役割とは?

実は役割には2つあります。

静的役割-役割が固定されているもの
     比較的本来の役割で結果が出せる

動的役割-状況、要因によって役割が変わる
     場面によっては本来の役割とは違う役割を
     こなすことがある

部長が課長の仕事もこなすのは
動的役割です。

ただ、これをあらかじめ明確に
決めておくことは難しいです。

サッカーやラグビーでいう
インターセプト(※)を
あらかじめ決めておくなんて
普通は、できません。
※パスをしている相手のボールを奪うこと

通常、役割、とか
役割分担と言うとき、

静的役割の部分を
考えがちです。

でもこれは役割のうちの
一部分しかあわらして
いないということです。

今、難しいのは
変わらない役割と思われた
ものも、

年代の違いや、
能力の変化がでてくると、

固定された役割であった
ものがこなせなくなって、

役割は変化する、という
ことがでてくることです。

つまり、静的な役割を忠実に
こなしていればよい、

ということではいかなくなる
ということです。

スポーツのなかで動的役割が
多いのがサッカーだとすると

静的役割が多いと思われた
野球でも

大谷選手のような二刀流で
複数の役割を担う選手が
でてきました。

人に役割を合わせても
時と場合によっては
合わなくなる可能性が
あるということです。

変わっていく役割に
どう対応していけば
よいのでしょうか。

強みを活かして対応していく、

ということだと思います。

日本シリーズでも
MVPに輝いたキャッチャーの
中村選手は

相手や、データによって
リードを変えるのでなく

投手のその日のベスト
パフォーマンスを
引き出すことを
意識したといいます。

役割を意識するとは
強みを意識することでも
あります。

自分の、あるいは部下の、仲間の

どうやって強みを活かせば
よいのか?

どうやって活かそうか?

こういう意識が、
柔軟な組織に求められる
『役割』というものだと
思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

このブログを編集して、
メルマガを平日2回お届けしています。
ご希望の方は、 下記フォームよりご登録ください。

メルマガ申し込み
 

関連記事

コメントは利用できません。