ルールを変えるタイミング

第737号

就業規則や人事評価制度は、
ついこの前までは、一度作ったら
10年くらい変えないことは、普通にありました。

変更を依頼されて今使っている就業規則を
見せていただくと、縦書きだった、
ということも、結構あります。

今、法改正の頻度が増えて、就業規則は
年に1回程度、変更するのも珍しくありません。

人事評価制度はどうでしょうか。

うちの会社はまだ制度がないですよ
という会社もあるかと思いますので
就業規則と単純に比較はできませんが、

私の開業当時からお付き合いの
ある会社は、その頃からすでに
評価シートがありましたが、

今も同じ評価シートを使っていて、
それで不具合あるかというと、
そんなふうでもありません。

汎用性がある評価項目、と言ってしまえば
それまでですが、

項目の抽象度が高いと、まったく現状に
合わないということもなく、広く解釈
できることから、

文言を少し手直しすれば項目そのものを
見直すほどではない

ということのようです。

法改正というのがありませんから
社内から、よほど不満の声があがら
なければ、

人事としても見直しに着手する
きっかけにはなりません。

会社は常に成長している、と考えれば
経営戦略の一環である人事評価制度が
当時のまま変わらないというのは、
ほんとは不自然です。

社員も成長しているはずです。

そこを見逃すことは避けたいものです。

導入時の苦労、作る大変さを考えると、
人は変化したくない気持ちを優先する
(現状維持バイアス)という特性もあり、
動くタイミングを逸してしまいがちです。

苦労して導入したこらこそ、
より時代に合ったものに進化
させないと、もったいないなぁ
と思うのですが、

どうすれば、見直しのタイミングを
逃さないでしょうか。

ひとつには、あらかじめ
ルールで、

少なくとも3年に一度、
自社の人事評価制度を検証する。

と、強制的に決めておくのは、
有効な方法だと思っています。

運用に慣れてくると、評価シートを
配って、期限までに回収して、
点数をつけて、処遇を決定する。

この一連の行為がスムーズに
行われることに安心してしまいます。

でも、それは慣れであって、
導入した動機に対する
成果ではありません。

最初に目指した成果を出すために
有効に働いているかどうかは
チェックする必要があります。

就業規則が法改正に背中を押されて
改訂されるように

人事評価制度の背中を押してくれる
ものとして、

見直しもルール化しておくとよい
と思います。

そのために、そもそも作成する
最初の時点で、導入する意図を
明確にして、

社内で共有しておくことが大事です。

ルールには必ず入れる目的があります。

人事評価制度の作成にとりかかるとき
現状分析をすると思いますが、

5年後、10年後どうなりたいか
というビジョンまで描いて、

そうなるための自社独自の
人事評価制度の目指す効果を
書き出しておくのがよいと思います。

いわゆるビフォー、アフターです。

運用していると、言葉を
少しずつ理解しやすいように
変えていただけのつもりが、

ズレが大きくなっていることに
気が付かなくなります。

でも、最初にそこを
明確にしておけば、

この人事評価制度の運用の
向かう先は、

ビジョンと同じ直線上に
あるかどうかを見極めて

はずれていれば、
見直し、修正する
タイミングだと
考えることができます。

そもそも、ビジョンが
変わっていれば、
当然見直しになります。

人事評価制度は、

評価の“ものさし”とも
呼ばれますが、

ビジョンは
人事評価制度の見直す
タイミングの
“ものさし”にもなります。

お読みいただき、ありがとうございました。

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