相手を知ればルールが活きる

第733号

先週の朝ドラのテーマは
「相手を知れば怖くない」でした。

気象予報士として朝の番組に関わっている
主人公は、台風が来ていることから、
水の怖さを視聴者に伝えなくては、
と焦り、水の事故対策ばかりを伝えようと
してしまいます。

上司から、自然は怖いだけではないことも
伝えてもらえないか、と諭され、結局自分は
誰かが危険な目に遭うことを怖がりすぎて
いたと気づく、というものでした。
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怖いというと語弊があるかもしれませんが、

人事労務関係はリスクヘッジとか
問題解決の意識が強いものです。

私も、リスクヘッジのために
就業規則を作りませんか。とか
その規定では、穴がありすぎます。

などという言い方で、お客様に
問題を事前に防ぐために作ることを
以前はよくお伝えしていました。

何かあったときの「どうしよう」を
避けるために、規程をより細かく
詳細に作ろうというものです。

でも、会社も満足していただける
規程を作っても、問題はくりかえ
されます。

目の前で起こっていることは
氷山の一角です。

だから海の下にあって
見えない部分の

なんでそういう事態が繰り返されるのか?

このパターンを知って、
構造を変えないと
問題はなくなりません。

ルールには2つあって

〇ルールありきで、絶対に守らなければならないルール

〇目的を明確にしてから最後にルールに落とし込むもの

絶対に守らなければならないルールの
代表のひとつが就業規則で、
服務規律などが、わかりやすい例です。

目的を明確にしてから最後にルールに
落とし込むものの代表は評価制度です。

ですから、リスクヘッジのルールを
作ること自体は間違っていません。

では、それだけでは、
会社の問題は防げません。

なんでそういう事態が繰り返されるのか?

この答えは就業規則にはありません。

就業規則は、
絶対に守らなければならないルールを
明確化したに過ぎません。

ルールで人はコントロールできません。

起こる問題を抑止するのは
正直難しいです。

ドラッガーが「チェンジ・リーダーの条件」
のなかで

『第一にマネジメントとは人間に関わることである』

と言っています。

結局のところ、
普段からの「対話」が出来ているかどうか
なのだと思います。

対話の重要性はわかっていても、
ルールは万能、と思いがちです。

ルールは、確かに会社の共通言語です。

ルールを「知らなかった」
ということがないように

明確にしておくことは
社員にとっても安心材料で
大事なことです。

だからといって、ルールが対話の
代わりになってはくれません。

「そこに書いてあるでしょ」

では、対話にはなっていません。

まず最初に、対話を通じて
お互いを知っていればこそ、
この共通言語が活きてくるのだと
思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

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