「自分事(じぶんごと)にするということ

第721号

「自分事として考えてね。
わからなければ、何度でも説明するから」

製造業の会社の
プロジェクト推進会議で
役員が説明しているときに
参加している部長たちに
向かって言った言葉です。

わからないから
自分事とできない、

わけではありません。

自分事とならない理由は
自分でなんとかしなければ
ならない

と、思わないからです。

これまで問題があれば、
役員が考えて解決して
きました。

その解決方法を聞いて、
わからなければ、何度も聞いて
その通りにする。

これがこの会社のパターンです。

それでうまく仕事が回ってきました。

それを、自分事として
もらうには

自分でなんとかしなければ
ならない
と、思ってもらうことです。

「どうなったらいいだろう」
と、自分たちで考えてもらう
ことです。

自分で考えて決めたことは
自分ごとになります。

これまでの
言われた通りにやる
というパターンを
変えなければ始まりません。

説明するから、と
言われれば言われるほど

ますます他人事になって
しまいます。


ところで、

自分事として考えてほしい
と言うと、

会社は、自主的に考えて
行動してほしいと思っている、

と思ってしまいますが、

思っていないわけでは
ないですが、

実は、自分事として
という真意は

積極的にやり方を覚えてほしい

ということだったりします。

やり方を役員から聞いて、
わからなければ、何度も
聞いてその通りにする。

という

会社のパターンを
生んだ構造は

細かいことまで
指示を出し、
命令して管理する
ことで

社員を育ててきた
ことにあります。

いつの間にか人が
数百人に増え

役員だけでは
指示、命令が物理的に
難しくなったことに
危機感を感じています。

どうしたら
指示命令がスムーズに
伝達できるか。

これまでこのやり方で
うまくいってきたという
自負が強い分、

それができないことが
大きな課題だと
役員は感じています。

この課題を解消するには
やっぱり、
このパターンを
変えなければなりません。

役員がどう考えようと

組織として
変わらなければ
機能しない段階に
いるのだと思います。

やり方を何度も
説明することよりも

その前に

これをやることで
何を目指すのか

どうなっていれば
いいのかを

会社のなかで
共有することが
先決です。

一言で言えば
「ビジョン」ですね。

技術は教えることで
熟練していきます。

人の成長には
学習することが
必要なことに
違いありませんが、

教わる(受け身)ではなく

自分から学ぶ
学習する機会を
つくることが大事です。

そのために、

会社のビジョンを
イメージしてもらい

自分はそのなかで
どうなっていたいか
という目標を持ってもらう
ことが必要です。

こればかりは、
誰にも教えられません。

だから自分事になります。

お読みいただき、ありがとうございました。

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