人事制度を社長が説明する理由

第718号

「本気が感じられない」

「本気でやってほしい」

社長とお話していて
社員のやる気の話になると
時々出てくる「本気」という
表現。

それが、よく知っている
社員さんの場合だったりすると

本気を出していない場合も
あるかもしれないけれど

本気が伝わっていない
だけかもしれないなぁ

って、思うときがあります。

本気を出すってどういうイメージですか?

100%の力を出し切る

徹底的にやること

これだけだと、精神論に
聞こえてしまいがちで、

100%の力であれば、
それを具体的な行動に
置き換えないと

本気を出しているかどうか
見えません。

「こうなりたい」

「こうありたい」

そう強く願って取り組むとき

それは本気を出していると
言っていいと、
私は思っています。

この本気、具体的に
どう見せればよいので
しょうか。

普段の関わり方や、
関係性にもよりますが、

社長の本気も、
社員に伝わりにくいと
言えるでしょう。

当然ですが、
社長は本気で経営しています。

社員に成長してほしい、

頑張りに報いる賃金を
出したい、

と思って取り組んでいる
方が大半です。

それを言葉で伝えても

残念ながら、本気は、
言葉だけでは伝わる
ものではありません。

普段のその言葉と
行動が一致している
ことが、大事な
ポイントです。

なぜなら、社員は
行動を信用するからです。

「ホントに見てみないと
信用できない」

ってことですね。

社長の

”こうありたい”を

具体的に表したとも
言える、
新しい人事制度を
スタートさせるとき

事前に社員説明会を
行います。

ここで発表する社長の
本気を見せられるか
どうかが、

制度の成否のカギを握ります。

とくに賃金制度部分は
生活に直結する部分
なので、神経を遣います。

事前に予行演習するのですが、

真面目な社長ほど
きちんと説明したいと
思うあまり

こう言われたらどう
返答しようかと
想定問答を繰り返します。

答えられないと、
社員からの信用を無くす

という強い想いが感じられます。

それだけ、この制度の導入に
本気なんだとわかります。

わかって納得して
作ったつもりでも
実際の運用前なので
手探り感は否めません。

予行演習は、
一つ一つ自分が決めた
ことを

あらためて、腑に落として
いく作業です。

オーナー企業の
中小企業における
予行演習で大事なことは、

何を聞かれても答えられる
ように準備することが
一番ではありません。

ひとつは、社長自身が
「自分が作った制度」と
自信を持って、思えることです。

社会保険労務士や
コンサルタントは
支援者であって、

自分が作ったと自覚
するために行っている
とも言えます。

そしてもうひとつは
自分で作ったルールに
社長自身も従うと決める
ことです。

オーナー会社では
ルールは社長が
決めてきたという
ことが多いでしょう。

人事制度を作ったら、
自分が作ったルールに
自分も従うことになります。

悪いほうに変更する
わけじゃないから、
自由に変更しても
構わないでしょう。

というのも通用しません。

予行演習のなかで
人事制度を伝えることの
難しさを感じ、

それを自分が説明するんだ
と考えると、

途中で何度か、本音が漏れます。

「賃金表、見せないと
だめでしょうか」

「賞与の算定基準、
事前説明しないとだめですか?」

これまでいっさい
明らかにしてこなかった
会社の場合は、

見せてしまうことに
対しての漠然とした不安

このページを見せて、
ちゃんと説明できずに
誤解を招いたらどうしよう

こんな感情を覚えても
無理ありません。

これまでのやり方で
大きな不満が聞こえて
きていなければ、なおさら
です。

こう決めると言ったのは
社長です。

言っていることと
行動が不一致では、
社員の信用を得られません。

大げさでなく

自分が決めたルールに
自分も従う、

と決めることは

その会社が、
組織になる第1歩です。

予行演習は
社長の本気を固める
最終工程です。

社員説明会で
社長が説明する
理由は、

社長の人事制度への
本気を見せること
です。

社長の本気に
社員は、安心し
信用します。

説明会で社長が
本気を見せれば、

否定的な質問は
まず、出てきません。

等級や号棒の意味が
よくわからなくても
(新制度導入時においては)
それは社員には、
大きな問題ではありません。

お読みいただき、ありがとうございました。

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