第696号
たとえば評価制度をつくるとき、
一緒にマニュアル、作っていますか?
外部専門家に依頼すると、
評価制度を作成して、一緒に
マニュアルを納品。という
ケースが多いようです。
では、そうして納品された
マニュアル使っていますか?
評価制度の変更の依頼を
いただき、マニュアルを見せて
もらうことがありますが
たいていは、あるだけで
「使っていません」
「見ていません」と、
おっしゃいます。
ひとつの理由として
ぶ厚くて読む気がしない。
もうひとつは、
使う場面がない。
実はここでマニュアルと
言っているのは、中身を
拝見した感じだと
手順書(業務フロー)
のことが、多いようです。
製造現場の作業マニュアルや
営業マニュアルなどは
業務引き継ぎや
新入社員の教育資料の
意味あいが大きいので
仕事の流れが把握できたり
機械や取引先の注意事項、
業務処理の方法や
イレギュラーな事態への
対処法全般などが
書かれているイメージです。
どうしても、そのイメージから、
手順(業務フロー)が中心
になりがちです。
使われてこそ
マニュアルの 価値がある、
と考えると
評価制度の場合の
マニュアルは少し
意味あいが違ってきます。
評価制度のマニュアルには、
・業務遂行のためのノウハウ
・全体の(簡単な)進行方法
これらを書いておくものだと
認識しています。
この「ノウハウ部分」が
少し違ってきます。
まず、作成時期です。
制度を作って
これから運用スタート
というとき
・賃金移行時に発生した
調整給の扱い
・評価シートの見直しは
どのタイミングで行うか
社員説明会で説明するような
事前に想定できることを
決めておきます。
イレギュラー時の扱いは
ノウハウであり、
むしろ運用を始めてから
多く発生します。
次にマニュアルを
作成(更新)するのは
運用を始めてからです。
いわゆる、人材を2:6:2
と区分すると、
上位と中位の8割が
制度を理解して
使えるように
なっているときが
次のマニュアル更新の
タイミングです。
この時期、いわゆる評価が
標準化してきます。
標準化した評価の基準を
マニュアル化します。
これらは、会社独自の解釈で
基準を定めたノウハウ
ということになります。
このノウハウの蓄積が
評価会議で議論になったとき
「〇年前はこういうとき、こういう判断しましたね」
と、人事部がマニュアルを見て
話すことで、会議の時間も
短縮されます。
働き方改革の推進と相まって
マニュアルを作ることによる
ムダを省いた→「業務効率の向上」
個々の理解度や経験、スキルの違いに
よる達成度に差が出ないようにする
→「基準の標準化」(属人化の防止)
コロナ禍の今、直接指導や研修が
難しい→「教育の手引書」(教育コストの削減)
これらの役割や成果が期待されます。
評価制度の項目に
『マニュアル作り』
というのが入って
いたりして、
マニュアルは企業の
規模関係なく、
身近なものでもある
と感じています。
作るなら、日常的に
開いて見るマニュアルを
目指したいですね。
柔軟な発想でつくる
会社独自のマニュアルは、
会社の財産になり得ます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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