第678号
今年、兼業、副業について
国のガイドラインが改定され、
国が兼業、副業を
後押しする姿勢が、
より鮮明になりました。
厚生労働省のモデル就業規則
令和2年11月版をみると
労働者の副業・兼業について、
裁判の判断で続いた
“労働者が労働時間以外の時間を
どのように利用するかは基本的
には、労働者の自由“
という基本姿勢を受けて
第1項が、
旧)許可なく他の会 社等の業務に従事しないこと
新)労働者は、勤務時間外において、
他の会社等の業務に従事することができる
と、改定されています。
もちろん、労務提供上の支障や
企業秘密の漏洩、長時間労働を防ぐことの
注意は十分必要だということで、
第2項に
(省略)次の各号のいずれかに
該当する場合には、これを禁止又は
制限することができる。
1.●●●
2.●●●
3.●●●
という規定の作り方をしています。
「兼業、副業について規程を見直そうと思うのですが」
と相談される会社のきっかけは
「兼業、副業認めないといけないんでしょう?」
ということがあるようです。
厚生労働省のモデル就業規則では
実は2018年から、「許可」という言葉が
削除されています。
許可:ある行為が一般に禁止されているとき、
(出典:デジタル大辞泉)
特定の場合にそれを解除し、適法にその行為が
できるようにする行政行為。
許可ではないということは、
兼業、副業は原則は禁止、
という根底の考え方が
原則は認めなければならない
という考え方に変わった
ということです。
今年ガイドラインが改定され
働き方改革の認知度も広がり
テレワークの規定をしないとなぁ
と思っていた会社に
国の、兼業、副業はできる、
という方針転換していることが
耳に届いたようです。
そして
「認めなければならないんでしょ?」
と、なったわけです。
モデル就業規則は、
法改正ではないので
拘束力はありません。
2020年11月28日の日本経済新聞朝刊によると
副業容認の企業は28.1%
(日経HR調べ)
という調査結果に とどまっています。
一方で
兼業、副業に関心があると
(日経HR調べ)
答えた会社員が74.7%
新型コロナウイルスの影響で
休業が増え、働く状況が変わりました。
兼業、副業について
規定化することで
規定する=兼業、副業できる
ということではなく、
条件があることを
明示しておく必要が
高まったと考えています。
兼業、副業が
「できる」「できない」
「許可制」を
「届け出る」や「認める」
という表現に、
言葉を置き換えることよりも
どういう場合には禁止できる、
ということを明確にしたうえで
・兼業、副業を届け出る書面
・兼業、副業に関する合意書
(厚生労働省HP)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html
これらの書面が、
より重要になります。
「なんだか手間だなぁ」と
思われるかもしれませんが、
実際のところ、
・賃金を増やしたい
・優秀な社員が、この会社ではやりたいことができない。
もっと、いろいろなことができる(経験したい)
という要望があることを
感じておられる会社もあるでしょう。
規程を見直すタイミングが
多い今年、
「うちの会社は兼業、副業できるんですか?」
という社員の質問に
あわてることなく
答える準備は、
しておきたいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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