第594号
朝からのひと仕事を終えて、
ふと耳を傾けたラジオから、
その日のゲスト(72歳)が
これからの夢は?と聞かれて、
「75歳まで仕事することです」と
答えていました。
夢を持つのに年齢関係ないんだ
75歳まで仕事すること自体が
十分夢になるんだ
ちょっとした驚きというか
何より、
人生100年時代の今は
どんな夢でも、それこそ人それぞれで
持っていることがまずは大切なんだと
感じたものです。
先週1月11日の日本経済新聞
朝刊第一面に
「70歳超えても働く」過半数という
記事が大きく掲載されていました。
2019年秋に日経新聞が実施した
郵送による世論調査によると
何歳まで働くつもりか?
という問いには
75歳以上が全体の10%
70~74歳が21%
あわせて37%で、
前回調査より7ポイント
増えました。
回答者平均でも
67.5歳です。
実際、企業の定年は60歳
延長(再雇用)して65歳
回答者が望むのは
それよりもなお高い
と言えます。
一方で若い人で
70歳以上まで働くつもり
と、答えたのは
30~50歳代は3割前後
18~29歳は18%
低いのがわかります。
もっとも、私も少し前までは
身体が健康でも、
70歳過ぎてまで働く
というのは現実味が
なかったです。
でも今、60歳を目前にしてみると
回答者平均の67.5歳は
非常に現実的な“アリ”の年齢です。
67歳の自分が容易にイメージできる
年齢になったからだと思います。
この記事の2日後、
13日の日本経済新聞朝刊には
「黒字リストラ」拡大という記事が。
要するに業績が好調でも
早期・希望退職を実施している
上場企業が増えているという
ものでした。
その記事にもありましたが
高度技術を持つ人材を
取りこむためにも
その足かせとなるのが
年功序列型の賃金体系です。
人手不足に対応するために、
現在、中高年に手厚い
賃金原資を、
若手に再配分する必要がある
ということでしょう。
当然ながら、賃金体系の
見直しにも積極的です。
同一労働同一賃金の流れで
賃金体系の見直しの機運が
盛りあがっているように
見えますが、
もっと現実的な
企業の生き残りをかけての
賃金体系見直しが
今、始まっています。
中小企業の場合は
まだ明確な賃金制度が
ない会社も多いので
魅力ある企業に生まれ
変わって、良い人材を
採用したい。
それが他社との競争で
生き残るために必要だから
ということで、多くの企業が
まだ、いずれ作成したいという
段階も含めて、多くの会社が
人事制度に興味を持っています。
今は「社外人事部」とか
「採用代行」など
士業、コンサルタント会社の
諸々が社内に人事部を
持っていない中小規模の企業の
支援に手を上げています。
私もそのひとりではありますが
任せていいことはどんどん任せて
よいのですが、
だからこそ、胆となるところは
しっかり会社で考えなければなりません。
たとえば、
どんな人材が必要なのか?
人件費には経常利益のなかの
どれくらいをかけられるのか?
これらは、会社でなければ
決められないことです。
つい世間一般の相場から
割り出したくなりますが
ここは徹底的に
自社の過去の数字や、
社内の優秀な社員が
何をやっているのかを
言語化することが重要です。
社内の優秀な社員の行動を
言語化する意味は、
誰を優秀と見ているのかを
まず、決定することでもあります。
今、人が採れないということで
採用にずいぶんお金がかかる
という声を聞きます。
つまりは人件費です。
求人広告もつまるところ人件費の一部です。
優秀な社員の言語化と並行して、
まずは自社の給与総額を把握し、
労働分配率を出してみましょう。
労働分配率=人件費÷粗利
ここから、できれば年間の
人件費予算をまず作って
適正な人員計画を作って
いきたいですが、
少なくとも
人件費を管理するという視点を
持っていただくことが大事です。
人件費が増えて
今、粗利を圧迫しているのは
みなさん感じていると思います。
これくらいの売上なら利益は
これくらい残る、という感覚が
通用しなくなってきているので、
あらかじめのボーダーラインを
つかんでおくために、予算化する
ことは必須です。
おすすめしているのは
この図を実際に書くことです。
そのうえで、昇給、賞与原資が
決まれば、その枠内で各人の金額を
決定できます。
前年対比で決めていると
そこにルールは生まれません。
前年の数字によって、額が増減し、
そこに法則がないからです。
目標から逆算で決定するから
ルールが生まれて、社員にも
あらかじめ説明できるという
ものです。
現実に、
採用の厳しさを考えると
地域や業界の相場など
いわゆる「採用市場」の視点から
給与額を決定するという考え方も
あります。
私は、賃金制度を作る時、
あまりにも採用市場で見た時、
会社の金額が低すぎるようであれば
先に上げてから制度を導入する
というやり方をすることもあります。
中小企業の場合は、
若手も高年齢者も
働き手は貴重です。
簡単に若返り、というような
舵を切ることは難しいです。
まずは人件費管理 から
始めていきましょう。
お読みいただき、ありがとうございました。
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