ありがとうはコミュニケーションの象徴

第547号

ラグビーワールドカップは
南アフリカの優勝で幕を閉じました。

不安の多い現代だからこそ
スクラムやタックルでぶつかり合う
ラグビーが、多くの人の心に
刺さったのかもしれません。

さて、ラグビーの主審が
マイクをつけて試合を裁いているのを
ご存じでしょうか。

そう言えば、という程度で
試合の集中を妨げるものではないですね。
むしろ、解説の方も主審の言葉を
マイクを通じて解説してくださいます。

すっかりマイクをつけて試合を裁くことが
溶け込んでいます。

でも、初めてそれを知った時
試合中にどんな裁定をしているのか
選手とどんな会話をしているのか

公式戦でそんなことって
ありえるのかと、驚いたものです。
スタジアムじゅうに、
すべて聞こえてしまうわけですから。

英語がわからないので、
選手たちに何を言っているのかは
わかりませんが、
「Thank you very much」だけは
わかります。

そのことに気づいたのは
ラジオを聴いていて、
パーソナリティの人が
このことに触れていたことから、
意識して聴くようになったのですが、
確かに、言ってる、言ってると
思ったものです。

大げさでなく
命がけで試合をしている
ラグビーの場合では、
命の危険があるほど
荒々しいスポーツだからこそ、
規律はしっかりしています。

主審の判定は絶対です。

そのなかでの主審が発する
「ありがとう」とは
どういう意味があるのでしょう。

インターネットの記事で探してみると

『このままいくと、
笛を吹かないといけない』
というときに、

「(そのプレーは)やらないで!」
と言い、それに応じてくれた選手に
『ありがとう』と言うのだそうです。

ラグビーの審判は、
罰を与えるというよりは
選手と共に
よいラグビーを創造する役割
があるといいます。

そういえば、
アドバンテージを見て
ゲームの流れを止めないのも、
いかに試合の流れを止めずに
楽しんでもらえるか、
そういう視点があります。

前回のワールドカップで
日本対南アフリカ戦を裁き、
今回のワールドカップでも主審を務めた
フランスのジェローム・ガルセスさんは

「審判は選手と良い関係を築くこと、
ゲームを持続させていくことが大事なんだ。」
とおっしゃっているそうですが
まさに、言い得て妙ですね。

試合中にチームの主将が
質問に行けば、
主審は自分の判定の根拠を
説明し、どうすれば反則に
ならなかったかを、アドバイス
することもあるといいます。

それを、マイクを通して
観客にも伝わるということは、
その会場にいる人すべてに対して
主審が説明責任を果たしている
ことになります。

ある意味、ゲームをコントロール
する役割でもあるレフェリーは、
罰することではなく、
コミュニケーションで
コントロールしていると言えます。

エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ
現在のイングランドのヘッドコーチは

「ラグビーはコミュニケーションのスポーツだ」

と言いましたが、
チーム内に限らず、
審判と選手間においても同じことのようです。

その象徴が
「Thank you very much」です。

強制ではなく、お互いに尊重しあうこと。

さて、上司の皆さんは、
部下が指示を理解してくれて
その通りに動いてくれたとき
「ありがとう」と、
言っているでしょか。

感謝だけでなく、
相手を尊重する表れとしての
”ありがとう”

その一言が関係性を
身近なものにしてくれます。

多くの気づきや学びを
ワールドカップは与えてくれました。

お読みいただき、ありがとうございました。

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