第525号
テレビでもSNSでも、俄然ラグビーの話題が
多くなってきました。
一部の熱狂的なファンのものだったラグビーが
いよいよ全国区になった感じを実感します。
新日鉄釜石が7連覇を成し遂げた時も、
神戸製鋼が7連覇したときも、
ここまでの盛り上がりはありませんでした。
当時は、少なくとも私は、
バックスのゴールシーンに
しびれていました。
4年前もやっぱり五郎丸選手の
ゴールキックについつい
目がいっていました。
でも今回は何と言ってもフォワードです。
スクラム、タックル当たり負けしていません。
生まれ育った国はいろいろですが
まさに”ワンチーム”で「前へ」と
突進します。
先日のジョージア対ウルグアイ戦で
ジョージアの勝利を祝う曲として、
会場にロシア音楽が流れてしまい、
政治的にロシアと緊張関係にある
ジョージアから、試合後、厳重抗議を
受けるということがありました。
大きなミスで、あってはならないことです。
ところで、ラグビーは、多様性のスポーツです。
アイルランドはナショナルチームとして
唯一2つの国(アイルランドと北アイルランド)
に、またがるチームです。
国歌やアンセム(応援歌)は
南アフリカは5カ国語で歌われ
アイルランド、スコットランド、
ウエールズはイギリス国歌ではなく
それぞれのアンセムを歌います。
そして、フォワードとバックス、
体格がこれほど違う人達が
一緒にプレーするのはめずらしいと思う。
15人それぞれにポジションごとの
役割があって、そこに自分を活かす
場所がある。
母国のラグビーにはフィットしなくても、
日本のラグビーでは自分の長所を活かせる。
だからこそ、彼らは”日本の代表になる”
ことを選びました。
この活かす場所があるというのは、
まさに自己肯定感です。
日本はワールドカップ前、
国籍が違うものが日本代表として
戦うことに、批判がでるのではないか
と危惧していました。
実際、31人の代表選手中
15人は海外の出身者で、
ここに対して違和感を持つ人も
多いようです。
これはラグビーが他のスポーツと違い
生活している国や地域の協会を重視する
考え方によるものです。
ただ、4年前の南アフリカに勝ったとき以上に
自国開催で、これだけプレッシャーが大きい中で
見事にアイルランドに勝ってみせたのは、
考え方が異なる日本人と海外出身の選手が
対等に代表チームを一緒に作ったチーム
だからこそ、互いの強みを活かして、
ジャイアントキリング(大番狂わせ)を
起こせたのではないかと思っています。
彼らは助っ人なのでしょうか?
それには違和感があります。
4年前、五郎丸選手が、
ラグビーが注目されてる今だからこそ日本代表にいる外国人選手にもスポットを。彼らは母国の代表より日本を選び日本のために戦っている最高の仲間だ。国籍は違うが日本を背負っている。これがラグビーだ。
そうツイートした言葉に、
答えとラグビーの素晴らしさが
あります。
経営者の方は、あえて自分と異質な
意見を持つ人材をそばに置いている
という方が多いです。
プロジェクトを作る時、
少し空気を読めない、浮いている人材を
あえて、一人入れるとも言います。
強いチームを作るには
このスパイスのような役割の人材が
重要だとうことをご存じだからです。
同じ意見の者だけでは、
ジャイアントキリングは起こせません。
ひとつのボールを追って、
国籍関係なく、体格も違う、
ただひとつ、共通の目的をもった
15人が駆けて、繋ぐ姿は、
明日の私たちの未来を
示唆してくれています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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