上司になりたがらない社員

第503号

働き方改革で上司は仕事量が増えたと感じ、
ますます上司になりたがらない社員が
増えています。

平成30年版労働経済白書によると
管理職に昇進したいとは思わないと答えた管理職
未満の社員の割合は61%にのぼります。
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/18/dl/18-1-2-3_03.pdf

「責任が重くなる」
「やるべき仕事が増え、長時間労働になる」
「現在の職務内容で働き続けたい」
「部下を管理・指導できる自信がない」
「賃金が上がるが、職責に見合った金額が 支払われない」
などが挙げられています。

要するに、自分の上司を見ていて
上司が魅力あるものとは決して思えない。

ということでもあるのでしょう。

上司になるような社員は、
期待されている優秀な社員です。

それが、上司になりたがらないのは
会社にとって損失です。

もう一段成長してもらおうとしているのに
それを拒んでしまうことですから。

先程の労働経済白書でも
上司が雇用管理や能力開発の難しさを
挙げています。

部下の人事評価が難しい。
部下が自分の指示通り動かない。

教えたからといって、
部下が成果を出すとは
限りません。
自分のやり方を押しつけても、
うまくいかないことも知っています。

どう教えたらいいのか?
管理とはどういうことか?

これがわからないのが、
上司になりたがらない理由
のひとつです。
それができなければ、
自分の評価が下がってしまいます。

上司になってから教え方を
身につけようとしても遅いのです。
部下のいない一般職のときから、
教える下地を作っておくことが必要です。

それはたとえば、
『同僚、仲間にやり方を教えている』
という行動を評価するルールを
作るとか、です。

上司でないときから、
教える環境に身を置くことで
難しさも感じる一方、
教えることで自分も育つことに
気がつきます。

必要なことは
”組織をマネジメントする”能力です。

ドラッガーは次のように言いました。

「マネジメントとは、あらゆる組織が
その成員に対し、仕事について
共通の価値観と目標を持つことを要求する。」

マネジメントを管理と置き換えると、
コントロールすること、と
捉えてしまうかもしれませんが、
コントロールすることが
マネジメントではありません。

いつも申し上げているように、
人は変えられません。
ですから、コントロールしようと思うと
無理が生じます。

仕事を管理すること、
これも上司の仕事のうちの
ひとつかもしれませんが、
たとえば、納期守ることは
上司でなくてもできます。

上司の仕事は
部下の成長を支援することです。

何かを教えることを指すのではなく
部下一人ひとりの能力、知識、経験、
目標 といった要素について観察し、指導し
成長できるように管理し、支援することです。

上司になりたがらない会社では
会社の成長、発展はあり得ません。

上司が上司となるための
準備ができる環境づくりは
会社の役割です。

お読みいただき、ありがとうございました。

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