仕組みだけでは人は成長しません

第486号

湘南ベルマーレは、13日、コーチングスタッフや
選手へのパワーハラスメント行為を行った疑惑が
明らかになった曹貴裁監督(50)について、
同問題に対するJリーグの調査が終了するまで
現場での指揮および指導を控えることを発表しました。

社会保険労務士としてハラスメントについて
相談を受けることも多いのですが、調査段階
である今の段階ではなんとも言えませんし、
言うことではないのでしょうが、わかることは、
「やり方」に問題があった、ということです。


体育会系上司とか、体育会系マネジメントという
言葉があるらしいです。

すぐに思い出すのが、昨年のアメリカンフットボールで
おこった監督による選手への反則プレーの強要です。

体育会系のマネジメントというのは、上司と部下の
タテ関係が絶対で、この関係性で上司は“部下を動かす”
というイメージです。

声を荒げて叱責する上司もありがちな話なので、
どうしても今の時代、パワーハラスメント
相まって、あまりイメージはよくないです。

ちなみに体育会系という単語をwebで検索すると

「部活動の運動部などで典型的に見られる気質や体制などを意味する語。気合いの精神、根性の重視、上下関係の絶対視などが挙げられる」(Weblio辞書より)

令和の時代にはあり得ないな、と思う
上記の内容ですが、体育会系の部活出身者を
採用する会社も多く、精神的タフさや規律を守る
ところなどを期待して、体育会系出身者に
価値を置く会社も少なくありません。

でも、本質の体育会系として捉えると、

ルールやマニュアルがある前提で、上司の指示は
絶対で、部下がその通り動くことというのは
間違っているとは言えません。

一方で、脱体育会系あるいは非体育会系の
マネジメントとは、自主性に任せる、
自由度が高い組織というイメージです。

型[仕組み]として比較すれば、まったく逆の
マネジメント方法ですが、どちらがよいとか
悪いとかという二者択一で語るものではないと
考えます。

人は「教えて導かなければならない時期」があります。

その時期は、体育会系も必要です。←本質の体育会系のことです。

でも、部下に育ってほしいなぁとか
自走する組織になってほしいと思う段階では
いわゆる非体育会系に移行していくのだと
思います。

この自由度は「任せる」という言葉に
置き換えて考えてみると、
なかなか上司は部下に任せることは難しいです。

任せる範囲を一定の範囲に区切って任せる
ところから始めるようにするとよいでしょう。

こうなると、体育会系とか非体育会系という
くくりでは分けられなくなってきます。

仕組みだけでは人は成長しません。

人はそれぞれ違います。
組み立て通りには動けません。

チームビルディングではそれを
人材力×組織力[=仕組み]×関係性で
成果を出します。

仕組みの視点だけでなく
人の強みや持ち味に目をむけ
関係性を高めることも重要です。

何かが欠けると、そこに齟齬(そご)が生じ
パワーハラスメントも生みだしてしまいます。

お読みいただき、ありがとうございました。

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