第483号
TBSテレビ「ノーサイド・ゲーム」で
プロの役者顔負けの演技を見せる
元日本代表キャプテン 廣瀬俊朗さん。
選手時代の廣瀬さんで印象に残っているのは
2015年日本代表に選ばれるも
「スタメンを保証できない選手に
キャプテンは任せられない」との理由で
主将を解任されて、結局、一度もベンチ入りを
果たせなかったものの、チーム団結を促し
勝利に貢献したことです。
まさに献身という印象を持ったのを覚えています。
”チームのために
自分に何ができるのかを考える”
とはよく聞く話ですが、実際どこまで
できるかというと、なかなか精神的に
きついものがあります。
キャプテンはリーダーではありません。
キャプテンは組織の中で
あくまで役割だと思うんです。
リーダーは最初に実行する人
マネージャーはメンバーの一人ひとりが
最高のパフォーマンスを発揮して成長
できるように支援する人
これはこれまでブログでも書いてきました。
ではキャプテンは?
人を率いる役割を担った人だと思っています。
いわゆる「肩書き」ありきです。
ですから、キャプテンの任を解かれたら
本来はキャプテンの役割を発揮しなくても
よいわけです。
でも、そこで廣瀬選手は、あらためて
チームのために自分に何ができるのかを
考えたのだと思います。
ここからは、リーダーシップの発揮ですね。
相手国の動きを徹底研究したほか、
自主的に代表に落ちた選手や関係者700人に連絡し
選手へのエールのVTRを制作し、南アフリカ戦前に
控え室で上映したり。
W杯最終戦前日のミーティングで、
廣瀬選手から引き継いだキャプテンの
リーチ・マイケル選手から
ジャージーが手渡されたと言います。
自分がピッチに立つことをあきらめることなく
毎日猛練習に励む一方で、毎晩仲間のために
対戦相手の研究をしていたこと。
相手選手の動きを実践して練習相手をしてきたこと。
ベンチ入りできなくとも、彼は間違いなく、一緒に
戦うメンバーのひとりだったわけです。
後年、当時のヘッドコーチ、エディー・ジョーンズは
廣瀬選手を
グラウンドの中ではもちろんですが、グラウンドの外でも大きな働きをする選手。
と、評しています。
だから、というわけではないでしょうが、
きっぱり若手に切り替えて廣瀬選手を
キャプテンから外せたのかもしれません。
そして、想像通り(?)廣瀬選手は
役割がなくても大きな働きをしてくれました。
そして日本は世界ランキング第3位の
南アフリカに34-32で勝つという
大金星(ジャイアントキリング)を
おこしました。
3勝しても、それでも準々決勝に進めない
という不運に見舞われた2015年のワールドカップ。
満を持して8強入りをめざす
ラグビーワールドカップ2019が
9月20日、いよいよ日本で始まります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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