なぜパート、アルバイトを評価しないのですか?

第426号

最近は、賃金関連の新聞記事を
目にすることが多いのですが、
6月14日の日経新聞朝刊には

” バイト時給2.6%高
5月三大都市圏 事務など最高値 ”

という記事がありました。

 

求人大手のリクルートジョブスが13日発表した三大都市圏[首都圏、東海、関西]の5月のアルバイト・パート募集時平均時給は、前年同月比2.6%(27円)高い1051円だった。

事務や飲食などの時給は現在の分類で調査を始めた2013年7月以降の最高を更新し、上昇が目立つ。

同業大手おパーソナルキャリアがまとめた調査では、5月の「技能・労務系」の求人数も前年同月比39%減少した。

 

職種別でみると、

事務系が前年同月比4.2%(44円)高い1096円、「フード系」が2.9%(29円)高い1015円の一方、「製造・生産」が0.2%(2円)安い1020円。

自動車産業が集積する東海では、3.5%(36円)安い983円となり、下げ幅が大きい。

 

これは以前、やはり日本経済新聞の記事でも

1000円を超えて過去最高水準に達している
パート・アルバイトの時給ですが、企業業績の
悪化見通しが出たことから、そろそろ天井感を
指摘する声が出てきた、とありました。

とはいえ採用難は続いており、時給は
高止まりしたままです。
よって時給だけを見ると、高水準です。

この時給引き上げは、一方で、以前から
務めている人との間で差額を生み、
賃金の逆転現象が生じて不公平感を
生みだしています。

その結果、不満を抱える既存パートへの対応として、
こちらの時給も高めていくことを企業は迫られます。

新聞の記事の言葉を引用すれば
「業績悪化と人材確保の綱引き」です。

体力がない企業にとっては、きびしい消耗戦です。
時給を上げないと人が取れない。
業績の先行きが不透明で、人件費は抑制したい。

一部に歩合給や成果給を導入したり
悪戦苦闘が続きますが、やればやるほど、
既存のパートのやる気が冷え込みます。

ではどうすればよいでしょうか?

以前のブログ

”働きやすさ”より”働きがい”が大切

以下のようなことを書きました。

「働き方改革」で
どれだけ長時間労働の削減、
働く環境整備などを整えても、
それだけでは真の改革にはならず、

働く動機づけとなる要因を
整えなければならない

働きやすさだけを追求していると、
ますます「働き方改革」からは
遠ざかってしまうのかもしれません。

 

とはいえ、
正社員よりは、働きやすさが足りない
環境のパート・アルバイトの場合は、

●働きやすい環境づくり

大事です。

そのうえで、時給以外の ”やりがい”

必要です。

 

同一労働同一賃金が言われる今、

正社員じゃないから評価はいらない。
という考え方は通用しないでしょう。

労働力として大きな担い手である、
パート・アルバイトにしっかり成果を
出してもらうためにも

例えば
チェックリスト

あるいは星取表

成長を支援する指標、基準を
可視化して評価することは必要です。

チェックリストは、
必要なスキルを項目として列挙して、
どの作業ができるのか
必要なスキルがいくつ(どこまで)できるのか

これを見ることができます。

 

星取表も同様ですが、
より必要なスキル、工程を細かく分解して
業務のプロセスを見える化したものです。

それを習熟レベルごとに★をふやすというものです。

★ひとつで1点

評価基準は、たとえば

1点……その仕事を手助けをされながらできる

2点……その仕事を(ほぼ)一人でできる

3点……時間内に一人で作業ができる

4点……トラブル時にも対応できる

5点……改善やその仕事を他の従業員に教えている

その仕事をやっていないというのは0点です。

パート・アルバイトは、自分の目で
成長度合が見てとれ、次に何に挑戦
すればよいのかがわかって、
やりがいにつながります。

上司は誰が今どのレベルなのかを
把握することができます。

もちろん、この評価は社員同様、
全部の上司が集まって点数ごとの
評価を統一させます。

よって、上司によって異なる評価になることはありません。

評価ができれば、いよいよ業績に
その評価結果を連動させて
処遇を決定することになります。

 

正社員だから、パート・アルバイトだから
という雇用形態の違いではなく

やっている仕事の違いを明確にすることで
処遇の違いも明確にすることができます。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

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