第423号
6月7日日本経済新聞朝刊に年功賃金見直し広がる
という記事がありました。
若手確保優先のため、初任給を上げるかわりに、
中高年の給与にしわ寄せがいくという図式です。
企業は収益を増やせない限り、人件費は増やせない
からです。
初任給があがれば、そのまま右肩上がりの賃金カーブ、
とはいかず、中高年は賃金上昇が抑制されて、
なだらなか賃金カーブとなります。
大企業は、定年再雇用で65歳までの
雇用の義務化が決まったときも、
役職定年を1年早めたりして
人件費が増えない工夫をしてきました。
同じことは中小企業では難しいです。
もともと給与水準が高いわけではありません。
若手に賃金シフトすると言っても簡単ではありません。
ただ、年齢や勤続年数ありきの賃金体系は
確かに崩れ始めているのかもしれません。
では、どういう制度設計をすればよいのでしょうか。
処遇だけを考えていると、結局若手確保もできなければ、
中高年のやる気も奪ってしまいかねません。
今の社会情勢は、多面的に考えないと
答えはみつかりません。
若手の人材確保=賃金の引き上げ
この1面だけを見ていては、結局解決しません。
1面づつそろえていても、ルービックキューブは
完成しない、というのと同じです。
初任給についても差をつける
ソニーのような会社もでてきました。
高卒を想定して賃金表の1等級1号棒の
金額を決めていた会社は、
大卒の新卒を採用することに転換すれば、
初任給を見直さなければなりません。
厚生労働省によると、2018年の初任給は、
大卒20万6700円、高卒16万5100円です。
1等級1号棒を見直すのか
1等級●号棒を大卒初任給と
あらたなルールを作るのか
このとき、人件費総額としては
中堅、管理職の賃金は現状のままなのか、
抑制するのか
初任給だけを見ていては、課題は残ります。
私は人事制度を提供しているのではなく、
人事制度のノウハウを提供していると考えています。
ノウハウとは大辞林 第3版によると
1.製品の開発や製造などに必要な技術・知識。技術情報。
2.ものごとのやり方に関する知識。実際的な知識。
そもそも「ノウハウ」の語源は英語「know-how」です。
「know」は「知っている」
「how」は「やり方、方法」
こうして2つに分解できます。
知っている[知識、経験]やり方を、伝えて
作るのが人事制度ということになります。
やり方=ルールですね。
初任給はいくらにするのが適正なのか?
初任給は高卒、大卒一律でいいのか?
会社はこうして聞いてこられますが
それは、組織をどう作りたいのか
若手をどう活かし、中高年をどう活かすのか
自社のビジネスモデルは現行のままなのか
日本経済新聞の記事の最後は、
競争力を維持するための組織作りに向けて
多くの企業が変化を迫られることになりそうだ。
と結んでいます。
人事制度を見直しするときは、
組織作り、チームビルディング、
そしてビジネスモデルも
一緒に考える必要があります。
上記のいずれかが、まったくこれまでと
変わるなら、現在ある人事制度は
作り変える必要があります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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