第376号
2000年シドニーオリンピックで
高橋尚子選手が初めて日本女子陸上界に
金メダルをもたらしました。
二人三脚で指導したのは、小出義雄監督
小出監督が4月24日に亡くなられました。
(厳密には引退されたから元監督ですね)
思えば、日本女子マラソンは、
高橋選手が二連覇を狙った2004年アテネオリンピックで
野口みずき選手が金メダルをとって以降、メダルから
遠ざかっています。
マラソンは、代表に選ばれても
練習など調整はすべて選手とその指導者
(所属チーム)に任されていて、
合同練習で鍛えるということはないようです。
今は横の交流も増えたようですが、
基本的に、たとえば高橋選手の調整法の
優れたやり方が他の選手に引き継がれる
ということはありません。
小出監督流の練習法が平成、いえ令和の時代に
合うかどうかはわかりませんが、いち早くスポーツに
女性の時代がくる!と何十年も前に確信して、
教師時代から女性を指導してきた視点の確かさは
大きく評価されるものだと考えます。
小出監督の死去にともないこんな話が取り上げられていました。
シドニー五輪を前に、小出さんが高橋に挑ませたのが、コロラド州ウィンターパークでの「超高地トレーニング」でした。当時のマラソン界では、高地トレーニングは標高1,600m前後が最適とされ、あまりに高い場所はかえって逆効果とされていましたが、そんな“常識”など一切無視。何と標高3,500mの超高地で、24キロある山道を全力で駆け上がるトレーニングを課したのです。
周囲からいくら「無謀」「非常識」と言われようと、小出さんは信念を曲げませんでした。それは教え子を「世界一に導くため」です。
「オレは非常識だと思ってない。本当はもっと高いところでやりたかった。常識的なことをやっても勝てないよ」
ニッポン放送 スポーツアナザーストーリーより
http://www.1242.com/lf/articles/173400/?cat=sports&feat=sportsanother
今は効率的とか科学的なトレーニングが主流で、
極限まで走り込む練習は一般には無謀なのかもしれません。
そうだとしても、それと一緒に
小出監督の選手掌握術を古いとして
葬ってしまうのは惜しいです。
目指すビジョンが明確です。
教え子を「世界一に導くため」
良かれと思えば、常識も非常識も関係なかったのです。
ですから、高橋選手も信頼して取り組んだのでしょう。
やはりすべてはビジョンから始まります。
有森裕子さんは、小出監督を
「未来を見ながら選手を考えてくれる監督が好きだった」
と言います。
「私が遅くても、待つことができる人だった。
待って、信じて、育つのを待った。あの時代に
監督に出会えたのは幸せだった」と。
褒めて育てる「待ち」の指導者の真骨頂です。
評価シートを作って可視化すると、
ついつい出来ていないところに目がいって、
評価というより減点してしまう上司の方がいます。
私は、社員が成長する仕組みとして人事制度を一緒に作っています。
成長する=解決イメージの構築、すなわち解決志向です。
社員が成長する人事制度においては、
問題に目を向ける思考(問題志向)ではなく、
解決に目を向ける思考(解決志向)が必要です。
解決志向とは
どうなっていればいい?
どうしたらできる?
と考えるものです。
その選手の能力を最大限引き出そうとした
小出流の指導方法は、まさにこの解決志向に
通じるものがあります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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