第356号
2018年度(2018年4月-2019年3月)の
「人手不足」関連倒産は400件
(前年度比28.6%増、前年度311件)
に達しました。
年度ベースでは、2013年度に調査を開始以来、
これまで最多だった2015年度(345件)を上回り、
最多件数を塗り替えました。
Yahoo!JAPANニュースより2019.4.5
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190405-00010000-biz_shoko-bus_all
企業倒産自体は低水準をたどるなか、
「人手不足」関連倒産の増勢ぶりが目を引きます。
特に、人手確保が困難で事業継続に支障が生じた
「求人難」型
人件費のコストアップから収益悪化を招いた「人件費高騰」型
人手不足の早急な解消は、どう見ても難しいことから、
今後の企業倒産を押し上げる複合的な要因にもなって
くるとみられます。
この人手不足を解消すべく、
4月6日の日本経済新聞朝刊11面には、
“ バイトにも賞与・手当 ” という記事が掲載されました。
外食や小売り大手が人材確保へ向け、
非正規従業員の待遇改善を一段と進める
動きのひとつが、”バイトにも賞与・手当を支給する”
というものです。
実質賃上げに踏み切った要因は
大手企業は2020年4月、
それ以外の企業でも2021年4月から
「同一労働同一賃金」が始まります。
これを受けて、待遇差解消を前倒しで導入し、
人材獲得競争を乗り切ろうとする動きです。
一方で、「会社に残ってもらう待遇改善」
という視点も生まれました。
いわゆる定着率を上げることです。
それが労働環境の改善です。
お金のブロックパズルで説明するまでもなく
待遇改善→人件費増は会社の利益を圧迫します。
まさに、待遇を改善させながら、
生産性を向上させなければなりません。
ここまで述べてきたことは、
働き方改革が始まろうとどうしようと関係なく、
取り組まなければならない企業それぞれの課題です。
ですから、最初に働き方改革ありきではなく
企業それぞれの人事労務の問題を解決
しようとしたら、それが「働き方改革」だった
ということなんだと思うわけです。
やり方の具体例は、
『働き方改革推進支援センター』の
ページの中で事例として紹介されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000493646.pdf
まずやるべきことは、自社の課題を明確にすることです。
そのうえで、ルービックキューブを解くように
6面一緒に揃えていくことが重要です。
待遇改善しながら、生産性を向上させて利益を確保する。
どの一面だけを順番に揃えるやり方でも
ルービックキューブは完成しません。
1面揃えた後に、2面目を揃えようとすると
1面目が崩れます。
会社の組織の課題も同じです。
人や組織の課題は複雑です。
課題が明確になったら、
”6面一緒に揃えていく ”ことになります。
その取り組みのポイントのひとつは
間違いなく、多様性を意識したコミュニケーション力
ということになります。
双方向に互いに言いたいことが言える組織を意識して、
自発的に動ける組織になることです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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