他の社員に教えることは学習したことを定着 させる最大の方法

第346号

新入社員に人事制度を説明するにあたり、
人事部の方から質問をいただきました。

評価シートの項目を出来たか出来ていないか
を評価する評価(成長)基準の綱目は

たとえば、勤務態度では

1点 守っていなかった
2点 少し守っていた
3点 ほぼ守っていた
4点 守っていた
5点 守っており、他の社員に教えていた

と、抽象度高くした文言で統一しています。

 

勤務態度は組織風土を定着させる項目なので
基本的に一般職、中堅職、管理職

いずれも、一律同じ項目です。

そこは異論は出ないのですが、
評価(成長)基準について
同じ水準ではおかしいのではないか
という疑問から、「教えている」のレベルを
変えたらどうか?というご意見をいただきました。

同じ項目を評価シートに選ぶのであれば、
確かに求める水準、難易度は
一般職と、一般職を卒業した中堅職が
同じというのは少々違いますね。

ですが、勤務態度については、

挨拶を例にとれば
むしろ階層が上にあがるほど
出来ていないということもあり得ます。

よって、勤務態度については、
水準、難易度は変えていません。

では、項目ではなく、質問をいただいた
評価(成長)基準の「教えている」というのは
そこに求める水準は違うのでしょうか。

答えは「教えている」の、定義が違ってくる、
ということになります。

一般職は部下はいません。
よって、ここで教える対象は同僚ということになります。

中堅の場合は、同僚もありますが、
部下に教えているという着眼点が増えます。

WEB辞書では、「教える」とは

1)知識・学問・技能などを相手に身につけさせるよう導く

2)知っていることを相手に告げ知らせる。

という意味があります。

一般職の教えている:上記の2)

中堅職の教えている:相手に伝えて、伝えた相手が
行動に移すところまでを含むので、1)

ということになります。

そもそもこの「教えている」という視点を
評価(成長)基準の最高点に入れているのは、

ひとつには

・ 自分だけが出来るのではなく、共有することが大事である
ということを示すもの

・ そして、教えるとは相手のためよりも、学習したことを定着
させる最大の方法が、他者に学んだことを教えることである
という結果からも有効であると考えます。

これは、以下の学説でも言われています。

~アメリカ国立訓練研究所が発表した学説、
アクティブラーニング、平均学習定着率より~

 

評価制度を導入する目的

・ 社員の成長を目的としている
・ 社員間のコミュニケーションの向上を目的としている

このような場合は
「教えている」という視点をひとつの基準
とすることをお薦めします。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

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