第341号
2019年3月21日アスレチックス戦を最後に
イチロー選手が引退を表明しました。
昭和から平成になった年に美空ひばり
が亡くなって、昭和が終わったと感じたように、
去年から今年にかけて多くの引退がありましたが、
最後の最後、イチロー選手の引退で、
ほんとに平成は終わるんだなっていう感じです。
約90分に及ぶ会見では、多くの金言があって、
ニュースの街頭インタビューでは
人それぞれ、皆が自分の言葉で感想を
言っているところに、イチロー選手の
すごさの浸透力を感じます。
引退記者会見で
人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。
あくまでも、秤(はかり)は自分のなかにある。
それで自分なりに秤を使いながら、自分の限界を
見ながら、ちょっと超えていくということを
繰り返していく。
そうすると、いつの日か「こんな自分になっているんだ」という状態になって。だから、少しずつの積み重ねが、それでしか自分を超えていけないというふうに思うんですよね。
毎年、少しだけ限界を超えた目標設定をして、
その成果の有無は、過去の自分との比較。
レジェンドだからでなく、私たちにも腑に落ちる言葉です。
でも、「そうだよなぁ」って共感するけれど
良く考えると
私の「知っている、わかっている」というのと、
実際に「やっている、できている」人との
差を感ぜずにはいられません。
イチロー選手、引退した翌日も
トレーニングするというのだから。
わかるけれど、やっぱりできないです。
やる気を生み出す要因には、
X理論の人間観とY理論の人間観があります。
これはアメリカの心理学者マクレガーが
マズローの欲求5段階説をもとにして、
人間に対する本質的な見方を
「X理論・Y理論」という2つの異なる理論として
対比させたものです。
X理論:人は生まれつき「怠け者」という、
性悪説的な人間観が前提
生まれながらに仕事が嫌いで、
できるなら仕事をしたくないと
思っているという前提で、
監督・命令・強制・規則で
人の行動を監視し、ノルマを課して
目標の達成状況に応じて
報酬や罰を与える方法による
マネジメント観です。
Y理論:条件を整えることで、人は自発的に
仕事をこなして責任を引き受ける存在だという人間観が前提
自主性を尊重しながら、
魅力的な目標と責任を
継続して与えるマネジメント観です。
経営者のこの人間観(マネジメント観)が
組織に強く影響します。
Y理論の考え方は理想論だという人も
いるかもしれませんが、
イチロー選手の28年のプロ野球人生は、
やらされての28年ではないですね。
X理論の経営者の会社でも、
短期的に収益は上がるでしょうが、
報酬や罰で管理するのでは、
組織は疲弊します。
どうせなら、Y理論のマネジメントである、
自発的に自分の知識、技術、能力、ノウハウ
などを向上させ、企業のために活かす
自走する組織に本気で取り組むことを
目指していきたいものです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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