第313号
『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』
これはドイツの宰相ビスマルクの名言です。
昔この言葉を聞いて、
だから社長室には歴史の本、特に司馬遼太郎が多いんだ、
と、ひどく納得したことを覚えています。
この名言の意味は、
愚者は自分の経験だけで判断しようとするけれど、
賢者は他人の体験(過去の人々が経験して歴史として
語り継がれていることも含めて)に学ぶことを好む
と言うような意味だったと理解しています。
ビスマルクの言った意図と違う意味として
広まっている部分もあるそうです。
自分の実体験だけだと
どうしても自分の思考のくせで
物事を解釈してしまいます。
自分の価値観ですね。
でも人と人は違うということを知ると、
自分の価値観だけで決めることの限界
もわかってきます。
社長というのは、頑固な人も多いですが、
自分にとって必要だと思うと非常に柔軟に
取り入れるなぁと、感心することがあります。
人事制度を作ったり、組織開発するとき
社長さんとの信頼関係ができると、
非常に素直にこちらの話を聞いて
吸収しようとしてくださることが多いです。
そこには、自分で思いつくこと
には限界がある。
人の力を借りて良いもの
作ろうと貪欲なんだ、と思います。
もちろん、自分で学ぼうとする
社長もおられますが、
今の時代は学んでいるうちに、
次のトレンドが来たりします。
学ぶまで待ってはくれない以上、
すでに学んでいる人の力を
借りた方が早いともいえます。
学んでいる人から必要なものを
取り入れる、ということは、
決して丸投げとは違います。
『何を学ぶかより、誰から学ぶのか』
ということとも違います。
誰から学んでも成果がでないもの
でないと再現性がありません。
今は非常に複雑で、何を学ぶかよりも
どの順番で学ぶかも非常に重要です。
ですから、それを自分で学んで手に入れるのか
誰かの力を借りて獲得するのか
これを経営者として判断していただきたい
と思います。
賢者は歴史に学ぶ
この歴史とは大河ドラマになるような
偉人だけを指すのでなく、人の経験に学ぶ
ということです。
今読んでいる本
職場が生きる
人が育つ
「経験学習」入門
https://www.amazon.co.jp/dp/4478017298/
この中に、「学びほぐし」というのが出てきます。
一度固まった知識の塊をほぐし、
必要のないものを捨て、組み直す作業を
アンダーラーニングといい、
これを哲学者の鶴見俊輔氏が
学びほぐしと訳しました。
自分でもできるかもしれないけれど、
いったん捨てて、他の人の経験を取り入れる
ことで、さらなる成長を遂げることができます。
お読みいただき、ありがとうございました。
つまるところ「人と組織」
社長の想いを仕組みにして社員に伝える
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。