第296号
今日は久しぶりに妹とお昼を一緒に食べました。
日本料理店のカウンター席で
ちょっと豪華なお弁当をいただきます。
板前さんが料理の説明をしてくださいます。
そのたびに妹は「おいしいです」
「初めての味です」
「今日来れてよかったです」
と、次々称賛の言葉を自然に繰り出します。
もちろん、おいしかったんですが、
私は、ただ笑顔で大きく頷くだけで、
うまい言葉がみつかりません。
食事のときくらい仕事のことは忘れて、
と思う私ですが、
顧問先で部下へのねぎらいの言葉をかけましょう。
と言っている手前、ここでただ笑っているだけでは
ダメだと思い、最後の日本茶が出てきたときに、
「あぁお茶もおいしいです」とようやく伝えました。
ホントにおいしかったのです。
食事中はほうじ茶
食事の最後は煎茶
スッキリとした飲み口です。
でも、板前さんも妹も無言です。
食事を終えて店を出て妹に言われたのが、
「食事をほめないで、お茶をほめてどうするの?
失礼ですよ」
※あくまで妹個人の意見です。
確かに、苦みや渋みの効いたお茶は、
料理の味を損なうからと、食事中に
出さないお店も多いとか。
それを、お茶をほめるということは、
お口直しのお茶のように聞こえたとしても
おかしくないですね。
このように考えると、
知らなかった、ではすまされません。
以前に人それぞれに、思考のスタイル(効き脳)や
3つの行動スタイル[自己表現、自己主張、柔軟性]
があると書いてきました。
おいしかったとはっきり言えるのは、
やっぱり「自己表現が強い」人でしょう。
私は、自己表現が弱いのです。
仕事以外はまさにオフモードです。
行動スタイルについては、
相手の強弱に自分も合わせると
コミュニケーションが取りやすいのですが、
今日、それもなかなか難しいなぁと実感しました。
気がつけばやっていたのが、上でも書いたように
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おいしかったんですが、私などは笑顔で大きく頷くだけで
うまい言葉がみつかりません。
—————————————————————–
という態度です。
笑顔、大きく頷いて同意する。
私の共感を表す行為であり、
板前さんとの信頼関係を築こうとする
無意識の行動です。
でも、伝わらないと意味がありません。
初めて部下を持つ人向けに部下面談の研修を
させていただくことがあります。
自分では大きく頷いているつもりでも、
ちょこんと首を上下させているだけかもしれません。
意識して、少し大げさに頷くようにお伝えします。
うまい言葉がみつからなければ
部下の言葉をくり返すだけでもかまいません。
部下の話に興味を持っていることが伝わることが前提です。
聴く姿勢って「あなたの話を聴いていますよ」
「聴く準備できてますよ」という
安心感を与えるので、これも大切です。
準備ということで言えば、
相手のことを知りたいと思う気持ちがあれば、
相手の立場に立って考えられるので
料理でなくお茶をほめるという
的がズレた発言はしなかっただろうな
って思います。
でも、もっと大事なことは、事前の準備です。
日頃のコミュニケーションです。
日々の部下の行動をどれだけ見ているか。
です。
見ていて、
・ 良いなぁと思ったこと
・ こうしたらもっとよくなるなぁ(決して出来ていない点を上げるのではなく)
これを “ 書きとめておいて ”
日頃から伝えられるタイミングで
伝えていきましょう。
これなら、自己表現が弱い上司でも出来そうです。
書きとめることは大事です。
最近、めっきりメモを取ることがなくなった上司の方も、
書かないと忘れてしまいますし、
肝心なときにうまく伝えられません。
是非、部下の行動観察ノートを1冊作って、
書いていきましょう。
部下の行動について伝えたときは、
どういう言い方で伝えたかも書いておくと、
どういう言い方のときにどういう反応が
かえってきたかもわかります。
どういう伝え方をすれば
伝わりやすいかがわかりますね。
お読みいただき、ありがとうございました。
つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。