第278号
たまたまテレビをつけると、全日本卓球2019の
ミックスダブルスで伊藤美誠、森薗政崇ぺアと
長崎美柚、張本智和が戦っている場面でした。
結果は、熱戦の末、伊藤、森薗ペアが優勝しました。
上り調子の伊藤選手と張本選手が戦うのって、
観ていてワクワクします。
伊藤選手のスマッシュを見ていると、
男女の差なんて感じません。
このミックスダブルスというのは、
強い者同士のペアだから強い、とは限りません。
かえってマイナスになって弱くなることもあります。
交互に打球するという特性上、
シングルス以上に戦術やコース取りが
重要になるため、「2人の相性」が
非常に大事なのだそうです。
いわゆるコミュニケーション力ですね。
混合ダブルスでは、
女子が相手を左右に振り回し、
甘い球が返ってきたところを
男子がドライブで決める。
あるいは
女子が相手の男子のドライブをブロックし、
次の打球を、男子が攻撃するなど、
いわゆる緩急をつけたプレーが
効果的だと言われています。
男女の違いを活かした戦い方を
どう組み立てるかが、混合ダブルスの勝敗を
左右する重要なポイントになります。
だから見ていておもしろいのだと思います。
ただ、このセオリー通りではないのが
伊藤、森薗ペアです。
女子は台から離れず、
男子は台から多少離れて
プレーするという
良く見る光景に対して
ともに小柄だということもあって、
台から下がると不利になるため、
前でプレーして、速効で決める
パターンです。
男女の違いを活かした戦い方をすることが、
混合ダブルスの勝敗を左右する重要な
ポイントだとすると、それとは少し違うということです。
伊藤選手のような常識にとらわれない
自由な発想をするタイプは、相手だけでなく
パートナーまでもが翻弄されてしまう
こともあるのですが、伊藤選手の
豊かなアイデアあふれるプレーゆえの
予測が難しいプレーを、カバーして
しまう快足があるのが森薗選手の強みです。
このカバーリングがあるからこそ、
伊藤選手は質の高いプレーを
続けられました。
伊藤選手の良さを、森薗選手の良さが
より活かすコンビネーションです。
ともに強みを活かせるペアのため、
一緒にやるのは、異口同音に楽しいと答えます。
強みを活かすというのはモチベーションが
上がります。
チームビルディングでは、
”個人のモチベーションが上がらなければ、
組織として成果を出すことはできない”
と、考えます。
ダブルスも最小のチームです。
長所×長所で相乗効果を生み出すことで、
強みを活かすだけでなく、
強みを伸ばすことができます。
チームビルディングで成果を出すには
人×組織力×関係性です。
このうちの関係性については、
卓球は
いろいろな競技のなかのダブルスでも
もっとも小さな卓球台の中で戦う競技です。
だから、
「パートナーの邪魔にならないように」
移動する事が基本です。
例えばテニスのように
前衛、後衛というように
離れているわけでもないので、
攻撃をした選手はすぐに移動したりして、
パートナーの邪魔にならないように動きます。
そうしないとパートナーの次の攻撃の
邪魔になってしまうからです。
この気遣いというか、
周りを見れているかというのが、
コミュニケーションの基本でもあります。
冒頭で、
強い者同士のペアだから強い、とは限りません。
かえってマイナスになって弱くなることもあります。
そう申しました。
人×組織力×関係性でいえば、
シングルスでトップ選手というだけでは
勝てませんが、
個の能力が高い選手が、
互いの強みを活かせて、
コミュニケーション力があれば、
最強ということでもあります。
東京オリンピックから、
このミックスダブルスも
正式種目になります。
現在のシングルスの国内トップの
伊藤選手と張本選手のペアも
見てみたいと思いますが、
これが強いとは限らない、
ということがダブルスの
妙味のあるところです。
お読みいただき、ありがとうございました。
つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。