評価の仕組み 自分はどう評価されているのか

第206号

広島カープの丸選手が、FA宣言しました。

今回、広島カープは、宣言したうえで残留する
という方法を容認すると言っているので、
FA宣言イコール移籍ではありません。

この容認は、限られた人にしか
広島はこれまで認めていませんでした。
異例の扱いです。
それだけ評価しているということですね。

 

丸選手はFA宣言した理由として、

「家族とも相談して決めた。球団からは非常に高い評価をしてもらって感謝している。他球団の評価も聞いてみたい」

と言っています。

金額以外の評価も指してはいるでしょうが、
やはり数字で結果がでる世界の人は、

この数字に対してどういう金額(=評価)されるのか、
というのが、聞いてみたいところなのかな、と思います。

プロ野球の世界と違い、評価制度では
なかなか明確な数字で成果を示すことは
難しいところです。

ですが、たとえ直接利益に関わらない
管理部門(間接部門)でも、経営の一翼を
担っている以上は、極力数字で成果を示す
ように設計しなければ、と考えています。

まぁ成果目標の数字化がむずかしければ
究極は、売上か粗利か利益か、なのですが。

 

数字で評価されること自体は、
直接に不満を聞いたことはないのですが、

むしろ社員のかたから質問されるのは、

その数字がどのように評価され、
どのように処遇されるのかという
仕組み自体をたずねられます。

プロ野球でFA宣言するということは、
3割6厘、本塁打39本、
出塁率4割6分8厘(最高出塁率)という
丸選手の数字が、他球団では
どういう年俸や待遇になるのか、という
ことの比較検討することです。

丸選手の言う、聞いてみたい評価
ということになります。

 

今は資金もありますから、
丸選手の引きとめに多額の金額を
用意していると言われていますが、
これまでの広島は、潤沢な資金がなかったので、

FA取得する選手を無理に引きとめず
” 去る者は追わず ” という方針であったことは
よく知られた話です。

それで、黒田選手も、新井選手も、金本選手も
放出しました。

あの当時の広島とは違います。

果たして、今回、
何が丸選手の心を動かすのか、
満足を与えられるのか、

興味があります。


プロ野球選手は年俸の上がり方も一気にですが、

成績が悪ければ一気に下がります。

野球協約では

年俸1億円以下の場合は25%
1億円以上の場合は、40%

が限界だと決められています。

ただし、本人の同意があれば、
限度額を超えての減額も可能です。

 

ですから、ご承知のとおり、
プロ野球の世界と企業とは
比較はできませんね。

 

企業の場合も企業の資金力によって、
同じ成績を出したとしても
出せる金額は違います。

これはある程度、入社のときに社員の方も
わかっています。

同じ企業でも、業績によって出せる金額に
違いがあるということは、どうでしょうか?

そこがなかなか伝わっていないようです。

去年70点でいくらの賞与が出たから
今年も70点で同じ額の賞与が出るとは限りません。

 

そういうと、社員の方が不安がるから
言いたくないとおっしゃる社長は多いのですが、

伝えないまま支給額を下げれば、
余計に不安になります。

仕組みとして
会社の業績がいくらになれば

皆さんの昇給額はこうなります。
賞与はこうなります。

と、あらかじめ伝えておくことで、

昇給、賞与は与えられるものではなく、
売上を上げることで、自ら決められるものなのだ

ということを仕組みにして伝えることが
社員の安心とモチベーションになります。

 

仕組みの見える化のひとつに、
「賃金表」があります。

賃金表があると、
年ごとに自由な上げ幅を設定できない
という声もありますが、

賃金は労使の労働契約であり、
この程度の額まで出す用意があります
よという会社側のメッセージです。

社員が安心して働いて
定着してもらうためにも、

業績がこうなれば、この金額になる。
という条件つきの約束は、
会社として示していきたいものです。

そのうえで、どう決めるかは、社員さんです。
しっかり判断できる材料を伝えていきましょう。

お読みいただき、ありがとうございました。

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。

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