第171号
最近、働き方改革や労働基準法の改正などで、
就業規則の見直しをされる会社が増えているようです。
きっかけは上記のようなことなのですが、
どんな就業規則を作りたいですか?というと、
「いろいろ説明しなくても、ここに書いてあるから
と伝えられるものがほしい。」
つまり読めばわかるようなものがほしいということですね。
就業規則に必ず記載しなければならない事項は
次の3つです。
① 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇
並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項
② 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の
締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
③ 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
極論、これらについて書かれていて、
行き違いなく会社と社員が理解していれば
就業規則としてはいいわけです。
現実は、なかなかそう簡単ではありません。
例えば、始業終業時間を定める。
始業:9時
終業:18時
と書くだけでは、会社のルールとはいえません。
約束して守ってほしいのは、
始業:9時 業務の開始(実作業の開始)時刻
終業:18時 業務の終了(実作業の終了)時刻
9時に出社ではなく、業務開始であるということを
ルールとしたいのです。
始業、終業の定義は法律ではありません。
あるいはたとえ法律であったとしても、
皆が同じ理解をするとは限りません。
・会社のルールとして定着させたい、
・法律のしばりでなく、約束ごととして認知し合いたい
となれば、説明しなくても、
就業規則を作っておけば問題ない、
とはいきません。
社員説明会では、少なくとも最初に挙げた、
必ず記載しなければならない事項について
読んで説明すべきでしょう。
会社のルールは言語化しましょう。
可視化しましょう。
と、よく言うのですが、
実際には言語化して伝わるように伝えましょう。
可視化して伝わるように伝えましょう。
というのがホントのところです。
ここを会社が面倒がってしまうと、せっかく作っても
行き違ったままになる可能性があります。
” 問題解決の手法 ” には次のような2つのアプローチがあります。
問題に目を向ける思考(問題志向)
解決に目を向ける思考(解決志向)
就業規則はあらかじめ、穴になりそうなこと、
判断が難しいことなどを事前に過去の事例をもとに
制度化する『問題志向』型です。
たとえ完璧なものを作れても、
それは-(マイナス)をゼロに戻すだけとも言えます。
では、就業規則はどうやって作って、
どうやって運用すればよいのでしょうか。
私は就業規則を作るときが
” 組織化の始まり ” だと思っています。
だとすると、組織にはビジョンが必要です。
社長と言えども組織のなかの一員であるので、
どんな基準に共感し合うかというと、
それはビジョンです。
決まり(ルール)のよりどころはどこでしょう。
ミッション(使命)です。
ミッションは存在意義みたいなものです。
何のためにうちの会社があるのか?
そのためにどんなきまりを作るのか です。
最後は価値観(バリュー)です。
行動指針とも言えますが、
何を大事にして行動したらよいのか?
ということです。
ビジョン、ミッション、バリュー
これらはみな仕組みです。
就業規則を作成するにも、
社内で定着させるためにも
この仕組みが大前提です。
お読みいただき、ありがとうございました。
つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。