生産性向上 あいまいな役割を明確化する

第126号

昨日、今日とお盆休み最後の2日間は
『識学』という意識構造学を用いた
チーム力強化の方法を学びました。

https://corp.shikigaku.jp/

昨日のブログでも簡単に触れましたが、
今日はもう少し内容を掘り下げて
お伝えしたいと思います。

 

識学とは意識構造学からとった社名であり、
組織のパフォーマンスを阻害する
「誤解」や「錯覚」を取り除き、無駄のない
生産性の高い組織を構築するための
組織マネジメント理論「識学」のことでもあります。

設立からわずか3年で、上場企業、有名ベンチャー企業、
スポーツチーム等、累計500以上の企業、団体の
支援をしています。

何が彼らをひきつけるのか、
その一端を知りたくて、
仲間の勉強会に識学から講師をお招きして、
2日間計10時間の講義をうけました。

そもそも「識学」を学びそれをどう生かすのでしょうか。

通常は、生産性向上、スピードアップというと、
そのために、何か ” 付加 ” して成し遂げましょう
というアプローチが多いのですが、

識学では、

生産性を下げている要因を
” 排除する ” ことで生産性を上げるというものです。

生産性を下げている要因をやめましょう。
というものです。

「識学」では、

人は行動にいたるまでの指向の働きを
5つの領域を経て行動に移すと考えています。

 

たとえば水を飲むという行動について考えます。

「位置」(水はどこにあるのか?)を認識して

「結果」(あそこに行けば水がある)を設定して

「変化」(あそこまで取りに行く)を確定

「恐怖」(水を取り損ねたらどうする?)を消化して

「目標」(あそこまで移動しよう)を設定して

行動する。

この5つの領域で誤解や錯覚を含んだ
行動をすることによる無駄な時間(ロスタイム)を削減して、
集中力をアップしてパフォーマンスの向上を
はかることを目的としています。

5つの領域の中で、最初に学ぶのが、
私が最も特徴的だと感じている「位置」です。

社員が組織の中で、どこに位置し、
どんな役割があるのかを正しく
理解する(させる)というものです。

たとえば野球でいうポジションです。

レフト(外野手)がサードの位置まであがってきて
一緒に守ったとしたらどうでしょうか。

選手が勝手にサード横で守るのを見て、
打者がレフト方向に打てば、
誰も守っていませんから、
だいたいヒットになってしまいます。

こんなおかしな状況が、
組織の現場で起こっているのではないか、
というものです。

上司が部下をサポートするために、同じ作業を行っている。

部長が一般社員と一緒に“同じ仕事”をしているとしましょう。
個人的には「いいひと」としての存在意義が認められます。

ただ、その瞬間部長の役割を果たす人が
『存在しない』という現象がおこっています。

つまり、組織上、部長としての『存在意義』
なくなってしまっているということです。
部長の役割はマネジメントです。

部長は組織の階層を飛び越えて、
下に動いて、一般社員の階層に
降りていってはいけない
「動くな」というのが識学の考え方です。

これは識学に限りませんね。

部長と一般社員が一緒に仕事しているような部署は、
雰囲気はよいのですが、マネジメントする人が不在なので、
成果はあがりにくいといいます。

確かに、ルールを作って管理しないと、
成果はでても、継続しません。

言い訳を作って、上司の指示したことをやっていない事がある。

こうしてみてきたことがどうしておこるかというと、

①役割があいまいである

あいまいゆえに、自分は上司より仕事ができると
錯覚する部下が出てきます。
仕事の区分が明確でないとなおさらです。

②上司の指示を守らなくてもよいと勘違いしている

一度でも上司の指示を守らず許されたことがあると、
上司の指示を守るかどうかの選択権が自分にあるように
勘違いしてしる。

 

これらのことから、
組織における自分の位置を錯覚し、
適切な行動を阻害している。
だから、位置を正しく設定しましょう、というものです。

私も支援先で経験ありますが、
社長が部長や課長を飛び越えて、
一般職社員に指示を出したり注意をしたり、
管理職等の『頭越しに』やってしまうことがあります。

こうした行為は、飛び越された
部長や課長の存在意義を消してしまいます。

この存在意義がなくなるというのは
どういうことを意味するかというと、

成長しない、育たないということです。

上司と部下の距離にも識学なりのこだわりがあります。

それを言葉にしたのが
「社長は社長室にこもっていてください」
というものです。

指示に対して、愚痴や不満を言う社員が
いるというのは ” 関係性が近すぎる ” からだとしています。

一定の距離を保つことが適切だとしています。
そもそも部下は組織運営に言える立場ではない。

という考え方です。

部下は上司に言われたことをするというのが基本の考えです。

こうして見ると、
トップダウンで封建制で、
下はなにも言えないようにも見えますが

部下が責任をまっとうするために、
上司に対して権限を与えてほしいと
申告することはOKとしています。

”組織としての運営ルールを明確にする”
”今の位置に求められる役割と責任の明確化”

あえて、組織の枠組み、型を決めたうえで、
その中で社員に、どう行動するかを考えさせます。
これらは、識学でなくても、組織作りの基本に通じることです。

あいまいなことを明確にするというのは、
非常に納得です。
ただ、組織運営のアプローチが
トップダウンだけで運営できるのかどうかは、
会社のステージによるのではないかなと考えます。
これからも井の中の蛙にならないよう、
学んで刺激を受けたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。

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