評価制度の設計「君に任せた」

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗です

第042号

「任せて任さず」と言ったのは松下幸之助です。
文字通り、任せたというのは、
放り出したということではありません。

最後の責任は自分のところにある
という自覚をもったうえで、
「任せて」はいるけれど、
絶えず頭の中で気にしている。
責任は自分が持つと腹をくくっている。
そうなると、どういうふうにやっているかということが
いつも気になる。

と言っています。

連日いまだにニュースになっている
日大アメフト部。

いろんな人が謝罪会見していますが、
いったい責任者はだれなんでしょうか。
すべての責任は自分にあります、と口では言っても、
誰も腹をくくっているようには見えませんでした。

指導体制は、監督を頂点として、
ヘッドコーチ、その下にコーチが13名体制です。

選手の指導は監督から直接行われず、
コーチを通じて間接的なものだったといいます。

指示をコーチに出して、
それをコーチから選手に伝えるということですね。

松下幸之助の「任せて任さず」とは似て非なるものです。

コーチは伝令のようなものですね。
選手だけでなく、コーチすら
この組織は、人として扱っていなかったんだと
見えてしまいます。

日大アメフト部の体制は、
「任せる」ではなかったのです。

リーダーは育てられないと、
これまでもお伝えしてきました。
経営者にできることは、リーダーが育つ支援をすること。
具体的には仕事を任せることです。

評価制度自体は、そんなものいらないとおっしゃる会社も
あるかもしれません。

部下を評価したくないという管理職も出てきています。
でもそれは、経営者が任せるのでなく
放り投げて(丸投げ)いるからではないですか。

評価制度はその時点の成長度をはかるものさしです。
処遇を決定するためのものではありません。

部下指導と評価を任せることは、
上司が育つ1歩になります。

そのためには、任せる決断と責任をとる覚悟を
経営者が持てるかですね。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

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