つまるところ人と組織
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗です
第015号
社会保険労務士とかコンサルタントという
肩書きで仕事をしていると、
社長さんご自身が気づいたときが、着手する
タイミングです、と伝えても、
やっぱり、
「どうしたらいいいでしょう」
「いつやるのがいいんでしょう」
と、尋ねられてしまいます。
それは、ありがたいし、質問なさる心境はよくわかります。
普段は、自分で気づいて動き出すのが
一番スムーズに進行しますし、
途中挫折する可能性も低いので、
自分でどうするのがよいのか、気づいてもらうような
対話や質問を心がけています。
それでも、これ以上は進展しないなと考えると、
「私なら、こういう場合は、こういうふうに行動します」とか、
「私はこういうふうに考えます」
という意見をお伝えしています。
ここで気をつけなければならないのが、
社長さんが、「やっぱりそうですよね」
「そのほうがいいですよね」
と、私の意見に同意を示したときです。
同意を示した=自分で気づいたではないのです。
特に、二代目さんとか後継社長さんは、
関係性を重視される方が多いので、
「専門家がそういうのだから、間違いはないだろう」
「確かに言うとおりにやってみたほうが、社員は喜ぶだろうなぁ」
というような、こんな意識で同意を示したのであれば、
それはそもそも、自分で気づいたわけではありませんよね。
つまり、頭ではわかっているけど、
腑に落ちてるとか、共感してるとは言えませんね。
ここでお伝えしたいのは、
なんとなく「言うとおりにしたほうがよさそうだなぁ」とか
「言ってることは間違いないから今やったほうがよさそうだ」
と、確信ではなく、
なんとなく思っている程度であるなら、
「無理してやらなくていいですよ」
と伝えています。
ホントは、そこまで踏み込む必要はないです。
今、必ずしもやることを薦めない、
というのがふさわしい対応だとは思いますが、
私の場合は、単発とか無料相談の場合は、
今後の動向をチェックできないので、
あえて口に出して伝えています。
むしろ、今のやり方でも破たんしていないなら、
「まずはやり切ってみてください」と言っています。
これは、たとえば評価シートの
評価項目の変更のご相談を受けたときに
よく聞かれるのですが、
これで合ってるかどうか不安、という程度で、
まだ変更することに明確な覚悟ができていないなら、
「まずは、今の評価項目をやり切ってみてから考えましょう」
と言っています。
一度行くところまで、現在のやり方でやってみないと、
その後の軌道修正の行き先が見えてきません。
何より、人事制度などの仕組みは、
制度が定着して人が育つまでに時間がかかりますから、
安易に変更はできません。
それなりの覚悟を持って取り組まないと、
結局中途半端で終わってしまいます。
それなら、本当に社長が変わりたい、
変わらなければと思ったときに
スタートするのが、成果への近道です。
ですから、私たちコンサルタントは、
その時に必要な支援ができるように、
その瞬間を見逃しません。
本当に変わりたいと思っていただけるような
準備をしていかなければなりません。
社長、自分が変わろうとしたときは、どんなときでしたか?
そこを意識すれば、ホントに変わるタイミングがいつか、わかります。
お読みいただき、ありがとうございました。