評価制度で人は成長できますか

第1032号

評価制度に教育の視点を組み込む
にはどうしたらいいんでしょう。

こんな質問をしてくださった会社は、

業績も上げたい、
けれども、人も育てないといけない。

という状況のようです。

評価制度が人を育てるわけでは
ないですが、成長を組み込むことは
できます。

というか、組み込まれています。
——————————————–

評価制度で人は成長できるかという
のは大きなテーマで、作っている
当事者の方は少なからず、こんな
ことを思ったことがあると思います。

1回ですべてを語りつくせませんが、
上記のような質問をいただいたので、

ひとつの切り口から今日はお話させ
ていただきます。

評価シートのある会社は自社の
シートをイメージしていただきたい
のですが、

評価項目に対して、評価基準が
だいたい5~6段階にわかれて
いるのではないかと思います。

ご相談いただいた会社は、8段階
に分かれていました。

できるだけ正確に点数をつけたい
と思う結果のようですが、

たとえば、「A+」と「A」の違い
は何ですか?
と聞かれたときに

回答できるかどうかが、運用でき
るかどうかのポイントです。

社員の方は細かく設定している
から、ちゃんとした評価をされて
いる、とは思ってくれません。

制度は、公平よりも、納得を大事に
することだと思っています。

さて、この8段階の評価基準
ですが、

これは、正確に点数をつけるという
”点数”に焦点をあてた視点にたって
います。

残念ですが、細かく分けていても、
最終的には「出来たか」「出来てないか」
という見方に陥りがちです。

ここを”成長度合い”という視点で
みると、変わってきます。

私が使用している評価基準は

1.できていない

2.少しできている

3.できている

4.言われなくてもできている
(あるいは、優れたやり方でできている)

5.周りに教えている
(あるいは、よい影響を与えている)

この5段階のステップの、
「できていない」が一気に

「言われなくてもできている」
ようになるわけではありません。

習慣になるまでの6段階(ホメオスタシスの壁)

知らない
 ↓
知っている
 ↓
やってみる
 ↓
分かる
 ↓
できる
 ↓
している

という6つの段階があって
この段階をうまく上がって
いけると、

習慣となって、出来るよう
になっているという考え方と
同じです。

段階は基本1つずつ、です。

ですから、評価基準の4や5、
SやAを取ることもすばらしい
ですが

同様に1が2に上がったことも
すばらしいと認める。
というものです。

成長という視点だと、こういう
考え方になります。

視点が違うと何が違ってくるか
といえば、

フィードバックが変わって
きます。

支援先を見ていると
「なぜ出来ないんだ」ではなくて
「どうしたら出来るようになるのか」
という伝え方に変わっていって
います。

私のこうした話を聞いて、冒頭の質問
してくださった会社の方は

「人を成長させなければならない
けれど、やっぱり会社は業績第一
なんですよ」

ということをおっしゃいます。

中小企業でも「人を育てている
暇なんてないよ」というのから
「成長」とか「育成」という
言葉を聞くようになりました。

それは、成長と業績の2つを
別々に並べて考えるのでなく

人を成長させて業績を伸ばす、
というつながりで、評価制度
を作ろうとする会社が増えてきた
こととも重なります。

私もそう思い、お伝えしていま
すが、

評価制度全体の仕組み、その成り
立ちからも、

評価制度というのは、長い時間軸
で着実な成長を目指すものですから

単年度の業績を第一と考えるので
あれば、確かに両立は難しいものだ
と思います。

評価項目に業績目標を入れている
場合もありますが

これはこれで目標設定と進捗
確認の仕組みが必要です。

少なくとも評価制度の運用の
仕組みだけですべてを網羅する
ことはできないと思っています。

目的と目標の明確化ということ
ですが、また別の機会にお話でき
ればと思います。

まとめとして—————–
評価制度の運用で、教育を組み込んで
人の成長を促すことはできます。
人の成長が業績を伸ばすことは間違い
ではありませんが、計る” 時間軸 ”
の長さは違う、ということは頭に置いて
いただきたいと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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