高すぎる理想と現実のギャップ

第1019号

視聴率は苦戦しているようなのですが、
私はおもしろいと思って観ている
学園ドラマ「ビリオン×スクール」
(フジテレビ 金曜夜10時)
https://www.fujitv.co.jp/billion_t_school/
があります。

毎回、ハッとさせられるセリフがある
のですが、今回主人公の高校教師は、
理想の教師像に囚われている同僚教師
に「高すぎる理想は下げろ」と言い
放ちました。

“ 理想はいらない ” ということでは
もちろんありません。

でも、“いったん ” 下げることが
必要な場面も確かにあります。

そしてそれは、自分ではなかなか
わからないものです。
—————————————

今回のドラマのテーマは
「理想と現実」のギャップ、という
ことだと思います。

ギャップと言って思い出すものに
コーチングでよく使われる質問
の型『GROWモデル』があります。

目標設定するときなど
以下の型に添って、質問します。

G:望ましい状態の明確化

R:現状の把握

O:方法の発見

W:行動の具体化

質問することによって
現状と望ましい状態(未来)を
明確化し、

そこで生まれたギャップを
解消する方法を本人に発見
してもらい、
コーチは行動の後押しをします。

ですから、起点、終点となる
現状と未来の設定は重要です。

ドラマでは、高校時代の恩師
を理想として、生徒に寄り添い、
生徒に愛を持って接している
教師が、

卒業した教え子が自分をだまし
ていることを薄々感じながらも
「生徒を信じる」という自分の
理想とのはざまで苦しみます。

主人公は

「高すぎる理想は下げろ。高すぎる
理想は現実を不幸に感じさせてしまう。
だったら理想は下げてもいい。
届きそうな理想を追い続けることで
いつか本当の理想に近づける。
高すぎる理想と比較しなければ、
十分いい教師だ。(以下省略)」

と言葉をかけます。

理想に囚われていたのが、この
言葉で吹っ切れます。

あきらめるのではなく
いったん下げる、というところ
が気づきであり、

それを良しとさせてくれる
のが、

「十分いい教師だ」という

同僚として見てきた主人公
からの承認のフィードバック
です。

そもそも、理想とする
恩師にしても
いつ、その域に到達したのか。

だからこそ、
・いつまでに達成するのか
・その目標達成にはどれくらい時間が必要なのか

ここを明確にすることで
自分の現在地を見誤らないこと
です。

私たちにしても、
半年後に到達できることと
2年後に到達できることは
違います。

半年後に、2年後に到達できる
レベルを理想として掲げると
無理が生じます。

2年後にそこに到達するために
小さな目標(いったん下げた
理想)をひとつずつクリア
して、その先にある最終の理想
に到達するイメージを持つ
ことができるかどうか、です。

そして、最終到達する地点を
・具体的にイメージできるか
これも大切だと思っています。

より、具体的にすることで
課題も見えやすくなり
小さな目標がたてやすくなり、

日々追いかけられることから
最終の理想は達成しやすくなる
と思うからです。

目標達成は技術(やり方ありき)です。

でも実は、それ以前に、
「なりたい理想がない」
「思い浮かばない」

ということも、案外多い
ものだと思っています。

というよりも

「考えたことがない」
というのが近いかもしれません。

それは、社員の方に限らず、

経営者の方にも言えること
です。

経営者の方の場合は
目の前の解決しなければ
ならない課題に日々追わ
れていると、

1年以上先のことを考える
余裕がありません。

社員の方の場合は、
聞かれたことがないので、
考えてこなかった、という
ことだと思います。

いずれにしても
普段考えたことがないことを
聞かれて、即答はできません。

では、そういう場合、
どうするかと言えば、

考えたことがないなら
考えてもらえばよいわけです。

たとえば、社員の方に
目標設定してもらうと、
なかなか自分で設定できない
ことがあります。

最初はそれが当然で、
出てこなくても、慌てたり
がっかりすることなく

上司の方が目標を設定して、
そこに納得してもらう形で
始めてもよいと思います。

そこで、まずは目標を達成する
とはどういうことかを実感して
もらうことだと思います。

そうして、目標とか理想とか、
自分でも考えるような習慣が
できるようになって、

自分で設定できるようになり
ます。

これを、いかに期限を決めて
自分で設定できるようになる
のか設計するのが、会社とし
ては、重要です。

お読みいただきありがとうございました。
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