部下を成長させる「教える」とは

第1016号

経営者の方からよく聞く言葉に
”上司は部下を育ててほしい”
というものがあります。

上司とすれば、
いろいろ「教えて」育てている
つもりでいるのですが、

作業のやり方を教える
という狭い視点ではなくて
もう少し広い意味での「教える」を
経営者は上司に期待しています。
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経営者の方は『部下を育てる』と
『部下に教える』をほぼ同じ意味
合いで使っていることが少なく
ありません。

つまり、教えて→できるようになる
レベルではなく

教えて→自分で考えて動けるレベル
まで、育ててほしいというものです。

ですから、
上司が教える内容は
” 答えを教える ”
ではなくて、

” 考え方を教える ”
という応用の利くものの比重を
意識して増やさなければなりません。

言い換えると
『ティーチング』=教える
ことも大事だけれど

『コーチング』=自分で気づく
ことも大事ということです。

やり方、考え方を説明して理解
してもらう方法と

質問や対話の中から、自ら気づ
いてもらう方法のどちらも必要、

ということです。

わかっていても上司がなかなか
この2つの方法を使いこなせない
のは、

これまでのご自身の経験から、

答えを教わることに慣れて
しまっている人が教える立場
になると、

答えを教わることが習慣化して
しまっているので、

ついつい自分も同じように、
答えを相手に教えることを
やってしまうからだと思います。

だからこそ、上司は
“ 教えない教え方 ”を
意識して接することが
必要です。

そもそも、
人それぞれ、自分のやりやすい
やり方がある、ということも
重要です。

それが上司から見て、無駄な作業が
入っていて、合理的ではない、と
思えても、です。

そういう場合に良かれと思って
アドバイスしてしまうと

部下は「わかりました」と
言うと思いますが、

言いたいことは分かるけど

こっちのほうがやりやすい
んだけどなぁ とか

命令された、と感じるもの
です。

教えない教え方とは
アドバイスではなく

(1)「提案」
例えば
「こういうやり方もあるよ」
「僕はいつもこうやっているよ」

(2)事実を伝える(フィードバック)
例えば
「そのやり方だと〇と〇の作業を
するので、時間がかかるように
私は感じたんだけど」と
感じたことをそのまま伝えます。

それを取り入れるかどうかは
本人しだいです。

自分で決定してもらうことが
大切なんですが、そのときの
選択肢として、提示することは
できる、ということです。

コーチングと聞くと、
質問しなければ、と思いがち
ですが、提案や感想を伝える
こともできます。

教える、育てる、というのは
都度都度、気づいたとき、
思い付きや行き当たりばったり
で行うものではありません。

継続的に行うからこそ、
効果があります。

そのために、
・何か仕事を任せたとき
・半期の目標設定をしたとき

これらのゴールに対して
必要なプロセスは何か、

という全体の把握をして
おくことは、上司の役割
です。

その時間軸のなかで、
相手によって、

あるいは
タイミングごとに

必要な「教える」を
実行することが大切です。

お読みいただきありがとうございました。
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