承継人事ノウハウ(2)ビジョンを作ろう | 評価賃金制度の設計・決め方|承継人事
承継人事ノウハウ(2)ビジョンを作ろう

1.目的と目標の関係性

会社における個人目標は、基本的に単独では存在しません。目的(何のために)-目標(何をする)の連鎖の中に位置づけられます。 例えば、ある目標は、その目的からみれば「手段」になります。 そして、その目標の手段(下位目標)からみれば、その手段を取る目的となるという具合です。これらの目的と目標の拠り所こそが、会社のビジョンです。

今年の数字目標があればそれでいいですか?会社は短距離ではありません。継続して発展していくためには、長距離走で考えておく必要があります。

目標は、会社の状況等によって、毎年変化するものですが、目的はそうそう変化するものではありません。なぜなら、会社がこうなりたいと描く画像がビジョンであり、それを文字にしたものが会社の目的(ゴール)です。よって、毎年変わる目標しか見ず、目的を見失ってしまわないように、何よりもまずはビジョンを作りましょう。

2.社員をコントロール

先代から事業を引き継ぐ場合、文字にして社員と共有しておくと、より一層会社の目指す目的を明確にすることができるのがビジョンです。オーナー社長は自分の想いで創業し、あえて言葉にしなくても社員を率いることができますが、先代から引き継いだ社長は、管理や規律による強制力によって、いわばコントロールしようとしてしまいがちです。

そうすると、当然ながら社員の反発、反抗を招いてしまいます。ではいったいどうすればよいのかというと、まずはビジョンを示しましょう。示せば、それに対して社員は自らの選択によって、「○○に共感したので、一緒に進んでいきます。」「あなたの言うことについていってみます。」というようになります。ここにはコントロールではなく、共感と自主的な選択があるのみです。

3.先代の想いの継承

先代社長が後継者に一番引き継ぎたいのは、創業の理念や精神です。100年超えの老舗企業が経営が順調であるにもかかわらず廃業の道を選ぶのは、この一番伝えたいことが伝えられない難しさもひとつの要因です。一番引き継ぎたいはずのことが伝えきれないまま事業を引き継いでしまうことが多いのが現実でもあります。

会社を引き継ぐと決めたら、今どういうところと取引していて、預金はいくらあって等目先のことではなく、将来の収益を生み出してくれる創業の理念や精神を伝えることです。
迷ったとき、何を拠り所に決断してきたのか、それが、きっと後継者の決断の助けになることでしょう。

社員も同様です。
雇用形態や仕事の仕組みが多様化し、目まぐるしいスピードで社会が変化する今、求められているのは現場の力です。現場の力とは、競争に打ち勝つ商品開発や顧客開拓など、現場でしかわからないことが、今後ますます企業間競争では重要な視点になります。

何のためにこの仕事をするのか、という根幹がしっかりあれば、時代は変わっても、ここに立ちかえれば、答えはいつも導き出せます。現場の力を引き出すには、なんのためにこの仕事をするのかという強い想いを常に意識することです。そのために、イメージしやすい未来像、ビジョンが必要です。

4.チームビルディングの基本

私が学び続けている組織作りのためのチームビルディングでは、チームを活性化するには人材力×組織力×関係性がポイントであると考えています。そもそも人ってみんな違う、バラバラなんだということに気づいて、それをどうやって活かせばいいかをルール化して、定着、継続していくために、話し合ったりすることで組織がうまくいく、これを繰り返して成果をあげるという考え方です。

ルール化したり、話し合うためには、組織が目指すビジョンがないと、どうやってルール化したり、皆の意見を共有化したらよいかわかりません。まず最初にビジョンをつくる、言語化し、全部が違う社員をどうやったら組織として成果を上げられるか話し合ってそれをルールに落とし込む。この過程がチームビルディングです。

人づくり、組織づくりの最初の1歩は、ビジョンづくりです。

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