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2012.2.7【人事労務のポイント】パワハラへの対策していますか

 

顧問先の皆様、普段お世話になっている皆様はじめ、
名刺交換、セミナーにお越しになった方、
メルマガ登録、ダウンロードしていただいた方等に
お送りしております。

こんにちは。
社会保険労務士の鈴木早苗です。

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≪今日の内容≫
【人事労務のポイント】パワハラへの対策していますか                     
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たまたまつけたテレビがNHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」でした。
昨日は「プロフェッショナルを導いた言葉」で、座右の銘とも言うべき言葉が
数多く紹介されていました。
ごらんになった方もおられるでしょう。
その中で、リゾート再生請負人と言われる星野佳路さんの言葉に耳を留めました。

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 「おまえが考える七割で良しとして、ほめてやれ」

 星野さんは学生時代アイスホッケーに打ち込んでいて、厳しいリーダーだった
そうですが、ある日監督から言われたのがこの言葉。
しぶしぶ実践してみたところ、半年後には効果があらわれ、部員が自らきつい
練習に励み、チームの雰囲気がよくなり、ついにリーグ優勝まで果たした、と
いうもの。
相手の良さを見つけ、ほめること。
これこそがチームの大事な原動力。
今星野さんは、あの言葉が「リーダーの心構えを教えてくれた」と感じている
そうです。

 私は現在、いくつかの会社で人事評価制度を支援しているのですが、
たとえば目標数値に届かない場合
なぜ届かないのかと叱責するのでなく、まずは達成した数値をねぎらってほしい
と言っています。

 叱るな、とはいいませんが、叱る回数よりも意識して誉める回数を増やすだけでも
部下との関係性が変わってきます。

 そもそも目標数値に届かなかったことを何故だ、何故出来ないんだと言って数値が
上がるものでなし。
そうであれば、目標には届かなかったけれど、
達成した数値はどうやって達成したのか、
そこに焦点をあててねぎらい、指導していくほうが部下も前向きになるのでは
ないでしょうか。
実際、意識してほめる回数を増やすほうが、本人も目標に対して「やりきる」ように
取り組むことが多いから不思議です。

伸び悩んでいる部下がおられる上司の方は、部下の成長を阻んでいるのは
あなたのひと言かもしれません。

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■【人事労務のポイント】パワハラへの対策していますか            
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今日の情報は、パワハラへの対策です。

昔は、組織でも家庭でも怒り役のお父さん 誉めてなぐさめてくれるお母さん
役割分担が今よりちゃんとできていて、バランスが取れていたように思います。
少なくとも、今よりは、多くできていたと。

今は1人で誉めたり叱ったり、上司も大変です。

マネジメントは教育、指導することと上司に言われて
教育したり、指導しているつもりが、相手の受け取り方ひとつでパワハラと
取られてしまう。

セクシュアル・ハラスメントが広辞苑にも掲載されて社会的な用語になっているのに、
パワーハラスメントは、いまだ社会的に認知されているとは言い難い状況です。
ハラスメントの危険度は同じなのに。

このような背景があって、
1月30日、「職場のパワーハラスメント」の予防・解決に向けた労使や関係者の
取組を支援するために、厚生労働省のワーキング・グループがその概念や取組例を
整理した報告書を発表しました。

■共通認識の必要性

「いじめ・いやがらせ」「パワーハラスメント」という言葉は、一般的にはそうした
行為を受けた人の主観的判断を含んで用いられること。
どのような関係の下で行われる、どういう行為が該当するのか、人によって判断が
異なる。

とりわけ同じ職場で行われる「いじめ・嫌がらせ」、「パワーハラスメント」に
ついては、業務上の指導との線引きが難しいなどの課題があり、労使の取組みを
より難しいものにしています。

そこで、労使や関係者が認識を共有できるようにすることが必要ということで
厚生労働省ワーキング・グループは以下のように整理して報告書にまとめました。

[職場のパワーハラスメントの定義]
この報告書では、職場のいじめ・嫌がらせ、パワーハラスメントについて、
「職場のパワーハラスメント」と呼ぶことにしており、その具体的な定義を
以下のように定めています。
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職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や
人間関係などの職場内の優位性(※)を背景に、業務の適正な範囲を超えて、
精神的・身体的苦痛を 与える、又は職場環境を悪化させる行為をいう。
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※【優位性】とは、上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、
さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれるとしています。
よって、人間関係や専門知識などによる優位性も含まれることになります。

[職場のパワーハラスメントの行為類型]
職場のパワーハラスメントの行為類型について以下の6つを挙げています。

(1)身体的な攻撃(暴行・傷害)

(2)精神的な攻撃(脅迫・暴言等)

(3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)

(4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)

(5)過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を
命じることや仕事を与えないこと)

(6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

ただし、この6つで職場のパワーハラスメントのすべてを網羅するものではない
ともしています。

 
ポイント!「業務の適正な範囲を超える」ものであるかどうかです。

セクシュアルハラスメントとの相違点
・個人の受け取り方によっては、業務上必要な指示や注意・指導を
不満に感じたりする場合でも、これらが、業務上の適正な範囲で
行われている場合にはパワーハラスメントにあたらないとする。

・セクシュアルハラスメントは男女雇用機会均等法によって雇用管理上
講ずべき措置が明確化されている。


★パワーハラスメントにおいては、セクシュアルハラスメントと違い 
各企業、職場で「認識をそろえ、その範囲を明確にする」取り組みを
行うことが望ましい

■実際に職場のパワーハラスメントをなくすために、何から取り組めばよいのでしょうか。

・[「職場のパワーハラスメントはなくすべきものである」という方針を打ち出す]

・[職場のパワーハラスメントを予防・解決するために]
1.この問題を予防・解決するための労使の取組については、
セクシュアルハラスメント対策などの既存の枠組みを活用するなど、
職場の実情に即した形で、できる取組みから始めて、それを充実させて
いくことが重要。

2.職場のパワーハラスメント対策が、上司の適正な指導を妨げるものに
ならないようにすることに留意。

 
ポイント!適正な指導を妨げないものであること

■すでに対策に取り組んでいる企業・労働組合の主な取組の例を
報告書では発表しています。

<職場のパワーハラスメントを予防するために>
○トップのメッセージ
社長が職場のパワーハラスメントを職場からなくすべきだと明確に示す

○ルールを決める
就業規則に関係規定を設ける 必要に応じた労使協定の締結 

○実態を把握する
従業員アンケートを実施する

○教育する
研修を実施する

○周知する
組織の方針や取り組みについて周知・啓発を実施する

<職場のパワーハラスメントを解決するために>
○相談や解決の場を設置する
企業内、外に相談窓口を設置、職場の責任者を決める等

○再発を防止する
行為者に対して再発防止研修を行う

厚生労働省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021hkd.html

 ~ご参考1~ 最低限の規定化 

 1)服務規律の中に条文化する場合

 セクシュアルハラスメント、パワーハラスメントまたはこれらに類する
人格権侵害行為により、他の従業員に不利益を与えたり、
職務遂行を阻害するなど、職場の環境を悪化させてはならない。

 2)別規程の場合 
おさえておきたい項目例
・パワーハラスメントの定義
・具体例(認識と範囲をそろえるために)
・相談、苦情窓口(セクシャルハラスメントの既存の枠組みの活用)
・懲戒処分

 ~ご参考2~ パワーハラスメントと労災認定 

パワーハラスメントは、労災の業務上認定において、どう関係するのでしょうか。

 いわゆる「相当因果関係が認められれば業務上」と認定されますが

 現状では、「パワーハラスメント」と労災認定の関係は、

 主因としてはあくまで長時間労働、著しく心理的負荷等の

 質的・量的過重性であって、パワーハラスメントはその要因の1つ

 として寄与が認定されているというのが現状認識です。

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これまでであれば、単なるぼやきであったり、お酒の席で上司の悪口を

 言い合って発散するというよくある風景のひとつ程度のことだったのが、

 職場自体が格段にストレスが増し、緊張状態が続く環境になり、パワー

 ハラスメントは、どこの企業でも、どこの職場でいつ顕在化しても

 不思議ではありません。

 適法な指導、教育も行き過ぎれば人格権侵害、屈辱的言辞となって

 パワハラ化するのです。

 人の問題に、企業規模は関係ありません。
他人事と思わず、予防対策を講じておきましょう。

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鈴 木 早 苗
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