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2011.04.15【人事労務のポイント】休業手当=毎月の給与の60%?

 

顧問先の皆様、普段お世話になっている皆様はじめ、
名刺交換、セミナーにお越しになった方、
メルマガ登録、ダウンロードしていただいた方等に
お送りしております。
 
こんにちは。
社会保険労務士の鈴木早苗です。

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≪今日の内容≫
【人事労務のポイント】休業手当=毎月の給与の60%?                    
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ご覧になった方も多いと思いますが、日本経済新聞4月14日朝刊経済面に
「計画停電で休業でも...77%の企業が賃金全額支給」という記事がありました。
メルマガでも先月3回にわたり書いた計画停電と休業手当ですが
民間調査機関の労務行政研究所の調査によると
計画停電で休業した企業について
・77.8%の企業が「賃金を通常通り全額支払う」と回答
民間企業で人事労務を担当する5574人を対象に、インターネットで
調査し、405人が回答した結果です。
調査期間は3月28~31日

 ・一定割合支払うとしたのが10.2%

 ・賃金・休業手当とも払わないと答えたのは3.4%

 地震があった3月11日の帰宅困難者への対応を複数回答で聞いたところ、
・社内の施設・設備を提供した企業が77.7%

 ・タクシー代など特別に必要だった交通費を全額支給した企業が53.0%

さて、皆さんの会社ではいかがでしたか?

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私も多数上記のような対応についてご相談をいただきました。
調査結果と同様に、むしろこの先にも計画停電が予定されるのであれば
その時には給与全額でなく休業手当の支給に留めることも検討するけれど、
今回は事前に取り決めもなかったことから全額支払うと、決めた会社が
ほとんどでした。

一番怖いのは、社員のやる気の低下です。
これから先、残業もままならないなかで生産効率を上げる
昼夜逆転で機械を稼働させる等、こうした製造業だけでなく
どんな業種も、一様に労使が協力して同じ方向を見て
取り組まないと、特に中小企業は生き残れません。

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■【人事労務のポイント】平均賃金=毎月の給与の60%?                
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休業手当についてお話しすると、「あぁ給料の6割ね」と
答えられる経営者の方がほとんどです。

≪労働基準法第26条の休業手当の定義≫
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、
使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の
手当を支払わなければならない。

休業手当=毎月の給与の60%ではないのです。

平均賃金とはどういうものでしょうか?

≪労働基準法第12条第1項≫には、原則として
この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日
以前3箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、
その期間の総日数で除した金額をいう。

 ※その期間の総日数で除すわけです。
※所定労働日数で除すわけではありません。

≪労働基準法第12条第2項≫
前項の期間は、賃金締切日がある場合においては、
直前の賃金締切日から起算する。

具体的に数字を入れて考えてみると
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算定すべき事由が発生した日を3月11日、賃金締切日が月末の場合
月25万円の人の給与を12月~2月で算定すると
(25万円×3か月)÷(31日+31日+28日)≒8,333円(平均賃金)
休業手当は4,999円

平均所定労働日数が21日の場合
(25万円×3か月)÷(21日×3か月)≒11,904円(日額)
日額の60%は7,142円
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休業手当と給与日額の60%では2,000円以上の差がありますね。
休業手当=毎月の給与の60%ではないことがおわかりいただけたで
しょうか。

休業手当と称して、毎月の給与の60%を支払うのであれば別ですが、
6割支払っているつもりで、実は日額4,999円の支払いをしていた
(法定通りで問題なし)ということであれば、労使間の思いに乖離が
できたとしてもしょうがありません。

平均賃金の60%というのは
給与日額(75万円÷63日)の42%程度なんです。

勿論、この休業手当の計算式を用いる場合は
会社としても、全額を支払いたいのはやまやまだけれど、
それが無理なので、やむを得ず、せめて休業手当分は支払うという
会社の状況があるわけなのですが、案外、経営者の方の理解は
給与の60%という認識程度で、実際の給与と支給額の差を
ご存じないかもしれません。
そんなことはない!と おしかりを受けるかもしれませんが。

今年の夏は、節電対応のひとつとして、休業を組み込まなければ
ならない状況があるかもしれません。

休業を含めて節電対応の計画をたてる場合は
休業手当=毎月の給与の60%ではないことをあらためて理解したうえで、
従業員の理解を得て進めましょう。
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節電対応は、休業だけでなく、夏期休暇の時期をずらしたり
深夜就業など少なからず「働き方」の変化を余儀なくされる
ことがあり得ます。
会社の決定に対して協力しない従業員も出てくるかもしれません。
それを服務に違反している、非協力でけしからん!と思う前に
少し考えてみてください。

いろいろ業界ごとに事情はあるにしても
早めに計画をたてて従業員に説明をしたでしょうか?

不満や不安を抱く従業員に説明責任を尽くしたでしょうか?

皆が協力して会社の業績を支えるという共通の目標を従業員が
認識すれば、やる気のUPにつながります。

恐れずに前に進んでまいりましょう!

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鈴 木 早 苗
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鈴木社会保険労務士事務所
東京都中野区沼袋2-15-11-301
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