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2010.12.10【人事労務のポイント】源泉所得税の改正の影響 扶養控除の見直し

 

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こんにちは。
社会保険労務士の鈴木早苗です。

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【人事労務のポイント】源泉所得税の改正の影響 扶養控除の見直し    
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平成23年分以後の所得税について適用される改正はこちらを
ごらんください。
源泉所得税の改正のあらまし
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/9017.pdf

年末調整の準備として、来年のための扶養控除等申告書を配付して
おられると思いますが、改正に伴って様式も少し変わりましたね。

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■平成23年より16歳未満の扶養親族に対する扶養控除が廃止    
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扶養親族(所得が38万円以下の生計を一にする親族で配偶者、事業専従者を
除く)から16歳未満を除くと改正されました。
特定扶養親族(扶養親族のうち、16歳以上23歳未満)が、19歳以上
23歳未満と改正されました。
これによって、変わるのは扶養控除等申告書の様式だけではありません。

皆さんの会社は家族手当(扶養手当)を支給していますか。
賃金規程で、家族手当の支給要件はどのように定めていますか?

○扶養している配偶者、子(例22歳未満、18歳未満)父母
というような要件でしょうか。

あるいは、
○健康保険法上の被扶養者を有する場合に支給
○所得税法上の控除対象の扶養親族を有する場合に支給

このように規定している会社も多いのではないでしょうか。

所得税法上の控除対象の扶養親族を対象とする 
と規定している会社は、注意が必要です。

来年から適用される源泉所得税の改正の影響を受けることになります。

つまりこういうことです。

16歳未満については、扶養親族であったとしても
改正によって、原則的に「所得税法上の控除対象」とならなくなります。
上記のような支給要件と規定している場合、このままでは、
16歳未満の扶養親族に家族手当が支給されないことになってしまいます。
「控除対象」という言葉は除かなければなりません。

ところで、家族の増減は従業員の申告がないとすべてを掌握することは
難しいです。
よって、扶養からすでに外れているのに、支給を続けていたということは
有り得ることですね。

そこで規定例として、次のような条文を記載しておくことも必要です。
●支給事由が消滅した後も受給していた場合は、過去に遡って
全額返還を命じ、悪質な場合は不正受給として懲戒処分とする。
●扶養する子が増えた場合は本人からの申請に基づいて支給するものとする。

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■住宅手当の支給要件は実情にあっていますか    
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家族手当と同様に、多くの会社で支給している手当に住宅手当があります。
家族手当や住宅手当は、原則割増賃金の算定基礎額から除かれるため
使いやすいという側面もあるのでしょう。

単に支給要件を「世帯主」とだけ定めていると、世帯主であって
親と同居している場合もあったり、その都度、要件に該当するかを
検討しなければならないケースも出てきています。
実務で迷わないような規定にしておくことが望まれます。

参考として規定例を載せておきます。
●住宅手当は扶養家族を有する世帯主であり、かつ、住宅ローンを
支払っている者又は借家住まいで家賃を支払っている者に対して
<別表※>により住宅手当を支給する。
※一律支給の場合は割増賃金の算定基礎額から除くことができないので
注意が必要です。

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■家族手当・住宅手当は必要でしょうか     
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そもそも諸手当は必要でしょうか?
賃金制度の改定作業では、諸手当の整備も重要です。
基本給以外に手当が5つも6つも支給されている場合もあり、
実際の目的を確認して、一部基本給に組み入れる作業をします。

 手当が増えていった原因は、会社側の考えとしては
退職金の算出や賞与の算出に基本給を用いていることが多いことから、
基本給を低く抑えるために手当を増やしたという経緯があります。

 従業員から見れば、仕事の評価と関係なく、給与を割り増しして
もらえる既得権のようなものと映っているかもしれませんね。

 総額では賃金は減額しませんと言っていても、手当を廃止して
基本給に組み込みますと言うと、抵抗や不安の声が聞かれます。
基本給に組み込むと、評価によって増減することになるからです。

 手当は重要な生活給、ということです。

一方で、家族がいるというだけで給与が多いということに疑問や
不満を持つ従業員がいることも事実です。
もっと仕事の評価で給与が上がる仕組みを作ってほしいと思って
いる従業員も多いのです。

 これは、昨今のライフスタイルの変化も影響しているでしょう。

 世帯主や扶養家族を考える時、一昔前は、男性中心の世帯構成を
イメージして金額や要件を設定すればよかったのです。
しかし、女性が社会に進出し、男女ともに晩婚化やシングルが
増えている今、世帯主イコール男性ではありません。
家族構成も、従業員と配偶者と子供だけでなく
娘である従業員と両親という構成も少なくありません。 

この機会に実態にあった手当の支給要件の見直し
場合によっては手当そのものの廃止も検討してはいかがでしょうか。

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鈴 木 早 苗
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