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2010.10.22【人事労務のポイント】転籍には労働者の同意が必要

 

顧問先の皆様、普段お世話になっている皆様はじめ、
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こんにちは。
社会保険労務士の鈴木早苗です。

 おかげ様でここでも告知させていただいたセミナーが
先週無事に終わりました。
遠方からもお越しいただき、ありがとうございました。
セミナーの片づけを終えて中野サンプラザを出ようと
すると、女性の大群がコンサートの開場を今か今かと
待っています。
マッチ(近藤真彦)のデビュー30周年記念コンサートを
待っているファンでした。
ほぼ同世代、30年なんてあっという間なんですねぇ。

 薬学博士の池谷裕二さんが糸井重里さんとの対談で
おっしゃっていたのですが、
池谷さんが食事の席でご一緒したトップレベルの
研究者の方が「研究者のピークは何歳ですか?」と
質問されたとき、「50歳」と答えたそうです。
その先生はそのとき65歳くらいだったそうです。

 50歳かぁ。私はもうカウントダウン状態です。

 確かに40歳はチームリーダーというかプレーヤーと
してはピークかもしれませんが、マネージメントという
視点から見ると、まだ発展途上という気もしますね。
社会性があって、才能も含めた総合力では確かに50歳
くらいかもしれません。

 統轄本部長とか執行役員とか、50歳くらいが適齢期かも。

皆さんはどう思われますか?

ちなみに、対談の中でも言っておられましたが、
50歳を過ぎればダメということではなく、経験が加味されて
人生や仕事のおもしろみは年を重ねるほど増してくるもの
です。ただ、ピークとはちょっと違うということのようです。

ブログでは先日のセミナーでも取り上げた
兼務役員と執行役員の比較をしています。
→ http://blog.goo.ne.jp/hot-sr/

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≪今日の内容≫
【人事労務のポイント】転籍には労働者の同意が必要     
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少し前までは中、小規模企業の就業規則作成時に「出向」「転籍」
について条文化しないケースも多かったのですが、現時点では
想定していないけれど、一応規定しておいてください。という
ことが多くなりました。

◆ではまず、転籍とは?

 転籍とは、労働者を元の企業との労働契約関係から完全に切り離して、
転籍先との労働関係に属させるもの。
出向元との労働契約関係は消滅し、出向先との労働契約関係のみと
なる点が、出向(在籍出向)とは異なる。

 最高裁の判例においても、「労働者の個別の明確な同意が必要」と
されています(最判第1小昭48.4.12 日立製作所横浜工場事件)。

◆就業規則への条文化は?

第○条<出向および転籍>
会社は、業務上必要があるときは、社員に出向または転籍を命じる
ことがある。社員は正当な理由がなければ、これを拒むことはできない。
ただし、転籍を命じる場合には、原則として本人の同意を得るものとする。
2. 前項の命令を受けた社員は、異動の日までに後任者への引継ぎを完了
しなければならない。
━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━

こんな感じで、皆さん規定されていますよね。

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
実際に転籍を命じる場合に労働者の同意は必ず必要でしょうか
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

例外的に
採用の際に転籍についての明確な合意がなされ、人事体制に組み込まれて
いるような場合には、就業規則の規定により転籍を認めうるとされた
地裁の判例もあります(千葉地裁昭56.5.25 日立精機事件)。

 このケースは
関連企業・系列会社への転籍,労働条件も不利益にはならず,
実質的に企業の一部門への配転と同じ。
これらの条件がそろっているうえで考慮したものです。

原則はやはり、「個別の同意」が必要です。

かつ、根拠としての条文は必要ですから、上記のような就業規則への
規定が必要になります。

─────── ∞ ─────── ∞ ─────── ∞ ───────

最近は中小、小規模企業でも営業譲渡に付随する転籍があります。

たとえば、
=====================
転籍元 → 同一企業グループへ(営業譲渡)
=====================
本人の同意が必要です。

 退職して再雇用というのではなく、労働契約上の権利義務が
新しい会社に移籍(譲渡)されることになるので、一方的に
命令はできません。

◆労働者の同意とは
転籍には通常同意を書面とした「転籍同意書」を取り交わします。

 転籍先での労働条件の明示、特に給与、退職金の処遇
有給休暇は引き継ぐのかなど、差がつくものについては
明確にしておくことが後々のトラブル回避となります。

 当然ですが、転籍に同意しないことを理由に解雇することは
解雇権の濫用にあたります。

≪その他ご参考≫

◆会社分割について
労働契約承継法により、一定の手続きを行うことにより、
従業員の個別同意が無くても労働契約を承継させることが
可能です。(分割される業務に主として従事していた場合)

そもそも労働条件はそのまま承継されるので、個別の同意を
必要としていないとも言えます。

 分割される業務に主として従事していなかった場合で、
転籍を通知された場合は、会社に対して異議申立てを行う
ことができます。
─────── ∞ ─────── ∞ ─────── ∞ ───────

最高裁は,平成22年7月12日,会社分割で新会社に転籍する
ことになった日本IBMの従業員が、同社に転籍の無効の確認
などを求めた訴訟の判決で

「会社が分割に関して従業員との協議や説明をまったく
行わなかった場合には転籍は無効となる」 との判断を示しました。

 争点は会社は分割について十分な説明をしたか、でした。

 2001年の商法改正時に会社分割は制度化され、
労働契約は原則として自動的に新会社に引き継がれるが、その際
には従業員に説明するよう定められています。

 よって 個別の同意は不要=勝手にやってもよい。 
ということではありません。

◆合併において
吸収合併-存続会社が解散会社の権利義務を包括的に承継
新設合併-新設会社が    〃

 特段の不利益を労働者に与えるとは言えないので個別の同意は不要

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━
転籍と出向は違うということは、経営者の方とお話していると
皆さんだいたいわかっておられます。

 労働者の個別の同意が必要だということも
わかっておられる方が増えました。

 でも「労働条件は転籍先に準ずる」と明記した同意書に
サインもしてもらっていても、権利義務は引き継がないとは
どういうことかを、果して労働者の方は具体的にわかっている
とは限りません。

 書面を過信せず、言葉を尽くして説明することが必要です。

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鈴 木 早 苗
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